セイブミー | ナノ


「実際吉良さんと私って、もっと殺伐としててもいいんじゃないでしょうか」

私の持ち込んだチョコをもくもくと平らげていた吉良さんは顔を上げた。ここ何年かでわかったこと、吉良さんはお菓子が嫌いじゃない。

「だって、爆弾つけあってるようなもんじゃないですか、私達」

あ、吉良さんは本当に爆弾ですけどね、と付け加えると、いつもの顔、つまり呆れたような、ちょっとだけ笑ったような顔をした。私が吉良さんのところに入り浸る理由に、この表情があると思う。

「そんなこと、今更じゃないか」
「そうですよね、三年目?いや、二年目ですもんねー」


吉良さんと私のファーストコンタクトは記憶に無い。多分、隣の席に座った時だろう。もしかしたらぶつかってすみませんくらい言ったかも知れない。
吉良さんのはっきりした記憶があるのは二年前、吉良さんが人を殺したシーンを見かけた時が最初だ。当時は吉良さんがなにをしていたのかはわからなかったのだけれど。
吉良さんはいたいけな女子高生であるこの私に、なんと爆弾を取り付けていたのだ。最近知ったが、スタンドの名前はキラークイーンと言うらしい。かくいう私も、吉良さんの体からスタンド現れるのを見て、私はとっさに吉良さんに危害を加えた。私のスタンド能力により、ポケットに突っ込まれていた飴玉を極めて小さい、針のような銃弾にして、それを打ち込んだのだ。
吉良さんの爆弾はちょっとスイッチを押せば爆発するし、私の銃弾はすぐにでも飴にして脳味噌を壊すことができる。
互いにいつでも殺せるという妙な安心感、接点が無いという油断、慣れ、いろんな要素が絡み合って、結局どうでもよくなったみたいだ。

「吉良さん、ポテチ食べますか」
「貰おう」

被害者と加害者に生まれる愛みたいなものかもしれない。その場合、加害者はどっちだ?
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