先生、ちょっと画面壊してきます(臨正) 初めてこの子と出会ったのは六畳一間の誰も何も無い空間。 画面越しに見える不安と緊張に満ちた、その中でどうにも愛に飢えた瞳をしているのが気になった。 顔は良い方なのにどうにも恋に慣れてる様子が感じられない。 俺の決められた台詞の一つ一つに一喜一憂し、そんなこの子の変わりようを見るのが次第に自分でも楽しくなっていたことに気付く。 画面が邪魔で君に触れられない。 画面が邪魔で君と向かい合って「好き」と言えない。 画面が邪魔で決められた空間でしか君を愛せない。 ごめんね、ゲームには終わりがあるんだ。 俺は2次元の男の子だから。 でも、だったら、ゲームじゃなければ良い。 俺が自己中心的なことは君も分かってるだろ? ゲーム中盤のあのキスシーンを再現しようか。 同じ場所で同じ台詞で同じ瞳で。 100万本の薔薇が許されるのは二次元だけなんて良く言うけど。 じゃあ100万回君に「愛してる」と言うよ。 「正臣くん」 「いざや、さん」 「愛してる」 さて、チャイムを鳴らそうかな。 ――――――――――― リアルはクソゲーって言うよね。 2012/03/11 09:57 |