愛迷(臨正) 臨也さん。 愛してるってそんなに軽く言える言葉じゃないと思うんです。 そりゃあその愛してるがいつどこで言うのかなんて人それぞれですよ? でもやっぱり軽い気持ちで言っちゃ駄目だと思うんです。 四六時中「愛してる」とか「好きだよ」とか言ってる貴方には到底理解できないと思いますけど。 これは紀田正臣って言う一人の人間が言ってることですからね。あんたが大好きな人間なんだから。ちゃんと聞いてくださいよ。 別にあんたが人間を愛してることに嫉妬して言ってるんじゃありませんから。 良いんですよ、勝手に「人ラブ!」とか言ってても全然気になりませんから。でもあんまりしょっちゅう言ってると怒りますよ。 まあ、いや…あんたに汚染されて前置きが長くなったでしょうが。まあ俺が言いたいのは、あんまり無理しないでくださいってことです。 あんた、俺が何言っても気の抜けた顔で「平気だよ」とか「心配性だな」とか笑って誤魔化すでしょう?変な所で軟弱なんですから、ちょっとは自分の体には気をつけてください。 喧嘩も程々に。 波江さんにも無駄な労力を使わせないようにしてくださいね。あの人、きっと俺よりも全然頼りになる人だから。 最初にも言いましたけど、やっぱり愛してるって軽い気持ちで言わないでください。あんたが本気だとしても。俺が怒っても怖くないって分かってます。でも泣き喚くくらいはしますよ。許しませんから。 だから、俺を怒らせない為にもその人間に対する愛してるをちょっと俺に分けてください。あんたは俺を一番愛してるよって笑いますけど、全然足りません。 俺に全部臨也さんの気持ちをください。 愛してます。 愛してますよ。 後半はあんたが愛してる人間の一人としとじゃなくて、あんたの恋人として言いましたから。浮気性の臨也さんが、少しでもマシになりますように。 by正臣 PS.ご飯は作ったのを冷蔵庫に冷凍してあるので温めて食べてください。ちゃんと食べなきゃ駄目ですよ。 「…波江さ、ん」 「……何よ」 「ちょっと水持ってきて。氷たくさん入ったやつ」 「貴方顔真っ赤よ。そんなに暑いかしら」 「違う。ちょっと、待って…これ…、もうやだ、可愛い可愛い正臣くん可愛い」 「気色悪いわね…ほら」 「んー…ありがと…あーやばい何あの波江、正臣くん連れ戻して来てよ」 「無茶言わないで頂戴…本当あの子が居ないと貴方と5日間すら過ごせる気がしないわ」 (それにしても) 「やだ、もうやだ正臣くんー…正臣くんが足りない、会いたい抱きしめたいー」 「…ああ気色悪い」 (修学旅行に行くだけでこんな置き手紙残していくあの子もあの子よね) (大袈裟って言うか…性質の悪い昼ドラでも観たのかしら) 「本当今すぐ会いたくなるよ。沖縄なんていつでも行けるじゃん、てか俺が連れていくし。いや、最初から強引に引き止めておけば、」 「止めなさい。大の大人がいたいけな高校生の思い出作りの邪魔をするんじゃないわよ」 「……ケチ」 (大体これ本文とPS逆じゃない。本文の部分要らないわよ…) (こいつを東京に留めて置く為の餌…にしてもやり過ぎよね) (今更になってラブレターなんてらしくないわ…まさか、) 「可愛い顔して策士かしら…」 「何がー?」 「なんでもないわよ。それじゃあ私はもう上がるわね。あの子の邪魔するんじゃないわよ」 「……あーい」 (…ああ、そうか) 「愛してるよ正臣くん、愛してる。いつもそうやって言ってくれればいいのに」 (こいつに向けての本音ね) (ちゃんと向き合って言えばいいのに) (意地っ張り) 「何笑ってんの波江さん」 「なんでもないわよ。じゃあ、おやすみなさい」 「うわ、怖い顔になった。おやすみー」 (まあ、私を敬う姿勢は賞賛に値するけど) (まあ、冗談を抜きにしても) (とんだバカップルね) ----------------------- 本音と行動一直線な大好き馬鹿臨也と手紙でしか本音が言えない彼氏馬鹿正臣くん。 2011/11/26 17:50 |