僕のまま、君のまま
｢骸…｣
｢なんですか？｣
ある晴れた日、イタリアの某所にて、中学生の雲雀恭弥と、成人した六道骸は対峙していた。
……ベットの上で。
｢これ、どういうこと？｣
｢どうもこうもありませんよ。僕と大人の君が楽しんでいた所に、君が現れたんです｣
｢く…くだらない冗談言ってると咬み殺すよ？｣
｢クフフ、冗談ではありませんよ…｣
｢………｣
｢その初々しい照れた顔もなかなか素敵ですね！｣
その頃、10年前では……
｢おや、10年後の雲雀恭弥ですか…｣
｢10年前か…。そうだ、ちょうどいい機会だから10年前の僕にメモを渡しておいてくれる？｣
｢何を書いているんですか？｣
｢さあね。10年後の僕たちのことかな｣
｢ほう……｣
｢そろそろ戻るかな。じゃあ、必ず渡しておいてよ｣
そう言い残し、10年後に戻っていった。
｢クフフ。お帰りなさい。ボンゴレたちは追い返しておきましたよ。
……どうしました？顔、真っ赤ですよ？｣
｢骸…やっぱり君は今のうちに咬み殺すべきだった……！｣
｢は…はい？あっ、10年後の君からメモを預かっています！｣
｢10年後の僕ね………
ふっ…たしかにね……｣
｢今度は急に笑って…何が書いてあるんです？｣
｢さあね。｣
そして10年後の世界……
｢おや、もう戻ったんですね｣
｢逃げそこねて残念？｣
｢逃げるわけないですよ。10年前の君もやっぱり可愛いですね｣
｢どうせ君のことだから、自分のいいように10年前の僕を騙したんだろうね｣
｢騙したなんて人聞きの悪い！ちょっと先のことを伝えたまでです。
これから僕らは"楽しむ"とね｣
｢"楽しむ"違いだよ。君は今から僕に咬み殺されるんだ｣
｢人の寝込みを襲おうとしたのは君ですよ？｣
｢妄想は止めた方がいいよ｣
｢クフフ……。さすが雲雀恭弥。ぬかりないですね。
10年前に文章でも置いてきましたか｣
｢よくわかったね｣
｢それは、君の恋人ですから｣
｢遺言はそれだけかい？｣
｢仕方ありません、お相手しましょう｣
触れるだけのキスのあと、二人の武器がぶつかり合った
10年後も骸は骸のま
ま。僕は僕のまま。
少々成長したって本質は変わらない。
僕が道を間違えるわけがない。
どんな状況になろうとも。
―――――――――――――
〜2011.9.16
clapお礼文
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