カタキじゃないけど



※雲雀の心情のみ





骸の体が憑依された。


初代霧の守護者であるD・スペードとかいう奴に、わざと負けられ、牢獄にいる骸の体が乗っ取られたらしい。

気を抜いてるからそんなことになるんだ、と悪態をつきたくなったけど、事態を見ているとそれどころじゃないみたいだね。


突然目の前に現れたのは、骸に似た頭頂部をした、キモチワルイ奴。

その顔で、その体でしゃべらないで。

肉体は骸だけど、精神はDのもの。
骸の精神は、ムクロウにある。


そう、精神は別の所にあるんだ。

そう再確認して、僕はV.Gを構える。
確かに肉体はダメージを受けるかもしれない。
だけど、君はそれくらいじゃ死なないでしょ?
僕はその程度の男を追ったつもりはないよ。

何より、君の体が乗っ取られているなんて不快だよ。


鳥とじゃ闘えないでしょ?
鳥とじゃ何もできないでしょ?


不快だ。


小動物が何を言っても、今回ばかりは譲れない。
骸自身、Dは倒さねばならない存在だと分かっている。
それに、コイツを倒したら、君も解放されるかもしれない。

幻覚の君なんてもううんざりしてるんだ。


だから僕はためらわない。
全力でDを咬み殺してあげる。


だから、見てなよ?


衝突繰り返す闘い。
流石に君の能力も含まれているだけあるね。

でも、僕には効かないよ。


衝突音の中、君の声が聞こえる。


「流石ですね」


そんな姿で、そんな場所から言われても嬉しくないよ。

だからほら、そんな牢獄さっさと離れて、早く僕を迎えに来なよ。


笹川良平のそれと良く似た技をかわしながら思う。

カタキじゃないけど、君の肉体に憑依した罪の深さを思い知らせてやりたいと

背後にDのカードが待ち構えていた。


よけられない


けど
君も、僕も、
その程度じゃない
そうでしょ?

君に会うためなら、どこからだって這い上がってきてあげるよ


だから


絶対に肉体を取り戻して僕のもとへ



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WJを読んでいて、これは書かずにはいられない!
と書いた作品

ついに生身の骸雲が拝めるか!?
とウキウキしながら書きました♪

葵都


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