迷い込む



辺りが薄暗い色に染まった頃

部活を終え、ようやく家路についた名前。


授業が長く、部活も大変で、ふらふらと足を進めていると、突然目の前の景色が変わった。


そこにば並盛町゙の看板が…

「え…何…ここどこ…?」

状況がよく判らない名前はただふらふらと歩いてみる。


すると何故か自分の名前の表札がついた家が目に入った。

「…入っていいのかな?」

恐る恐る家に入ると、内装は自宅と同じであった。

ただ一つ、見知らぬ男がいること以外は……



「やあ。君が名前だね?
僕は雲雀恭弥。
明日から君は並中生だ。
ちゃんとくるんだよ。」

その男は、そう言うなり家から出ていった。


名前は力が抜けて、その場に座り込んでしまう。

「何だったんだろ…?何が起きているの……?
雲雀……さん…?」


そして彼女は、そのまま眠りにおちていった。






次の日、名前は、昨夜の男が言った学校へ向かった。
以前にも通ったことのあるような感覚で、直感に任せて歩くと程なくして校門にたどり着いた。

そこには、昨日いた雲雀恭弥が立っている。


「やあ、僕はここで風紀委員長をしているんだ。
じゃあ応接室まで来てくれる?」


「あ、おはようございます。はい、今行きます!」




―応接室―

「じゃあまずその服脱いでくれる?」

「なっ…何言ってるんですかっ!?」


名前が真っ赤になって叫ぶと、雲雀は何でもないように続けた。

「ここは並盛中だよ。
ここの制服をきてもらわないと困る。」

「え…?あっそう言う事か……!!」


言われた通りに着替えを終えると、一旦退室していた雲雀が戻ってきた。


「着替え終わったみたいだね。
これが校内の地図。君は2ーAだから。
帰りにまたここに寄ってね。
着ていた服は預っておくから。
不要物だからね。」

「あ、はい…ありがとうございました」





―教室―

「名字名前といいます、お願いします!」

担任に指示された席に座ると、隣は沢田綱吉という男子生徒だった。
休み時間になると、その友達が集まって来た。

「俺は山本武。よろしくな!
で、こっちが獄寺隼人な」

「うん、よろしくね!」

普通に学校生活が送れそうな環境で、名前はひとまず安心し、その日はそのまま過ごすことができた。



授業も終わり、帰りの時間となり、山本武・獄寺隼人・沢田綱吉の三人は連れ立って帰って行った。

「名前ちゃん、雲雀サンの所に行くんだよね。…気を付けて…。」

綱吉の不思議な言葉に首をかしげながら応接室へ向かう。

「気をつけるって、何のことだろう……?」





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