雲中の想い、霧中の心



何故こんな状況になったのか、それは私が一番聞きたい事かもしれない。

逆ハーレムなんて素敵なものならいいが、そんな平和な言葉は当てはまらないと思う。


両隣にはパリッとスーツを着こなした男前が一人ずつ。

ただの男前ではない。
かのボンゴレファミリー10代目守護者、雲雀恭弥と、六道骸。

10年来の犬猿の仲だと聞く二人が何故私を挟んでいるのか。

ボンゴレの一部下として雑務をしている私がこの二人と知り合ったのは五年も前の事だろうか。
あの時も、いや、あの時から、何故だかあらゆる場面で巻き込まれている私。


「君、早く任務にでも行きなよ。目障りなんだけど」

「クフフ、それはこちらの台詞ですよ雲雀君」


やっと今日の仕事を終えて、嬉々として部屋へ戻ろうとしたら待ち伏せていた骸さんに捕まった。
そして、謀ったかのように現れた雲雀さん…。


あとは私を挟んで、先ほどの会話の繰り返し。


「このままでは埒があきませんね…」

「だから、化け物は早く任務に行くといいよ」

「化け物って…?」


ふう、と楽しげにため息をついたのは骸さん。

「仕方ありません。では後ほど、名前…」

怪しく微笑んだ骸さんに、私の後頭部を捕らえられる

「ぇ…んっ!?」

「Arrivederch…」

重ねられた唇はすぐに離れて、ペロリと唇を舐める骸さんはすっと背景に溶けてしまった。

「え…幻覚!?」

頬に熱が集まるのを感じながら雲雀さんの方を伺えば、ムスッとしたまま私の顎を掴み、無言のまま荒々しく唇を重ねられた。

「え…ひば…んん!?」

きつく重ねられたのち、雲雀さんは私を見る事なく踵を返して去って行った。


「な…なんなの……?」


はっと我に返った頃にはただ一人私だけが広い廊下に残されていた。




今までこんな事なくて、二人が何を考えているかなんてさっぱりわからなかった…





















  骸夢へ
  雲雀夢へ
  骸雲へ


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