金色のイタリア人
「ただいまー!!」
車こそなかったものの、自宅の玄関には普段と違う靴が並んでいた。
「あらツっくんおかえり。ディーノさん来てるわよ」
母さんがおたまを持ったままキッチンから出てきた。
こういう時はいつも張り切って料理を作るんだ。
返事もそこそこに、自分の部屋へ駆け上がる。
「ディーノさん!」
「よぉツナ、久しぶりだな!」
ディーノさんがウチに来る時は大抵俺の部屋でリボーンと何か話している。
今日も案の定リボーンと向き合って座っていた。
「オメーにしては早い帰りじゃねえか。でも悪いがまだ話は終わっちゃいねーんだ」
にっと笑うリボーンは、赤ん坊のくせになんだか意味ありげだ。
ロマーリオもいるし、なんとなく予想はついていたけど、少し残念がる自分がいる。
「わかってるよ!なんかお茶持ってくる」
「お、わりーなツナ!お前の部屋なのに」
そう無邪気に言う彼もまた、マフィアを束ねるボスなのだが、この屈託のない笑顔から誰が想像できるのだろうか。
笑顔だけ返して、自分の部屋を後にした。
- 21 -
[*前] | [次#]
ページ: