金色のイタリア人





「ただいまー!!」

車こそなかったものの、自宅の玄関には普段と違う靴が並んでいた。


「あらツっくんおかえり。ディーノさん来てるわよ」
母さんがおたまを持ったままキッチンから出てきた。
こういう時はいつも張り切って料理を作るんだ。

返事もそこそこに、自分の部屋へ駆け上がる。

「ディーノさん!」

「よぉツナ、久しぶりだな!」

ディーノさんがウチに来る時は大抵俺の部屋でリボーンと何か話している。
今日も案の定リボーンと向き合って座っていた。

「オメーにしては早い帰りじゃねえか。でも悪いがまだ話は終わっちゃいねーんだ」

にっと笑うリボーンは、赤ん坊のくせになんだか意味ありげだ。
ロマーリオもいるし、なんとなく予想はついていたけど、少し残念がる自分がいる。

「わかってるよ!なんかお茶持ってくる」

「お、わりーなツナ!お前の部屋なのに」

そう無邪気に言う彼もまた、マフィアを束ねるボスなのだが、この屈託のない笑顔から誰が想像できるのだろうか。



笑顔だけ返して、自分の部屋を後にした。





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