真っ赤なフェラーリ






放課後の教室はやけに静かだ。
居残りをさせられて課題を終わらせると、慣れない勉強のせいで睡魔が襲ってきた。

そうして気づいたら、すっかり寝てしまっていた。
課題のプリントは先生が回収したようで、付箋にメモが残されていた。

まだぼんやりとする頭で窓の外に目をやると、運動部が一生懸命動いている。

こうしていると、自分がマフィアの10代目になるだとか、そんな事が嘘のようだ。

しかし、不意に視界に入ってきたのは、この風景には不釣り合いな、真っ赤なスポーツカー。
校庭の向こう側を走っていったあの車には、見覚えがある。
その後ろを走る黒い高級そうな車たちも。

それを見るや否や、弾かれるように立ち上がり、急いで学校を後にした。




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