「謙也」
「ん?」
「大っキライ」
女子が見たら歓喜の悲鳴をするであろう満面の笑みでサラリと爆弾発言をいい放ってきた。いきなりのことにリアクションをとることができずに情けなくも唖然としていた。
「へ?なに?え?」
やっとでた言葉は、疑問符を撒き散らかしたものだった。そりゃそうだ。今まで普通な態度をとってきて─いやむしろ仲良好と言われるぐらいの仲ではあるし、自分だって一番仲がいいという自覚はあった。それなのに、いきなり面と向かって大っキライと言われたら誰だって戸惑いは隠せない。そんな俺とは反対に目の前の男は、楽しそうに笑っていた。
(いつ嫌われるようなことしたんやろ…この前白石の教科書でカメ虫潰したんバレたんやろか。いや、そのあと消臭のためにファブ○ーズかけたのが…それともバッグの中に蛇の脱皮5匹くらい入れたやつか…それかこの前ノート借りたときにイグアナのオシッコ掛けたやつやろか。あ、机の上にあった包帯に「スピードスター華麗に参上」って油性ペンで書いたこともあったわ。それとも借りといたマットバラバラにしたやつ…それとも…。)
心当たりが多すぎた。
嫌われても仕方ない。
今さら謝っても許されることは無いとは思うが、今まで仲良くしてきたわけだから、これからもずっと仲良くしたい。絶交や、なんて言われたりしたら全てが終わってしまう。
謝って許してもらうしか…
「白石…」
「なーんてな、エイプリルフールや」
「え…?」
「謙也がこんなんに騙されるとは思わんかったわ」
「エイプリルフール…エイプリル…ああ」
良かった。バレてなくて。
謙也はその後何事も無かったかのように、隠し通したとかないとか。
ギャグです(失笑)
バレても白石なら蛇の脱け殻や謙也が落書きした包帯を額縁にいれて保管するでしょうね^∀^(なにそれ不憫)