天気は快晴、気温は快適、気分は最悪。目の前の男のせいだ。

「でな、小春がな〜」

うざいくらいハートを撒き散らして、一氏ユウジはパートナーである金色小春を語る。それはもう幸せそうに。最初こそは、馴れ初めや試合での出来事を語っていたが最終的には夢の話や妄想の話。きっとこの人の頭の中は99%が小春先輩、1%がその他で出来ているのだろう。
(気にくわん…)
そんなことを心の中でぼやきながら無意識の内に、教室の窓から見える風景に意識を移していた。脳内お花畑の男もさすがにそれには気付いたらしい。

「光!聞いとんか!!」
「聞いてます聞いてます」
「窓の外に俺はおらんで!」

はぁ、とわざと不機嫌そうに溜め息をつくと、気にくわなかったのか男は不服そうに眉間にシワを寄せた。不機嫌なのは一体誰のせいだと、言ってやりたい。男はモゴモゴと口を動かして俯いた。拗ねたか?怒るか?泣くか?しかし、どれも違ったようで男はおずおずと口を開いた。

「そ、そんなに俺の話つまらんか…」

どうやら、落ち込んだらしい。いつか小春先輩がユウジはナイーブだから丁重に扱わないといけないと溜め息ながらに語っていた気がする。ああ本当にめんどくさい。ツッコミを求めてくる謙也さん並にめんどくさい。

「だれも…つまらんとは言っ」
「せやろ!!小春の話がつまらんわけないもんな!!」

人のフォローは最後まで聞け。
立ち直りが早すぎるだろ。もうやだこの人。男はまた話を再開した。時々、幸せそうに笑みを浮かべながら。数時間後には、嬉しそうに小春先輩の元へと向かうのだろう。

なんでこんな人好きになったんやろ…。

嬉しそうに話す男を見て小さく溜め息を吐いた。









fin












駄文ですみません><
うえだに捧げます(*^^*)
財→ユウ→コハ書いてて楽しかったです!また書きたい!



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