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遠征中の夕食の時間に、皆で食事してたら、「むぅ……。今日のは随分、味が薄いのう」と渋い顔をする黄蓋。
「此度は練師殿が従軍されておらぬからな」って韓当が言うと、「味気無くて、食った気がしねえな」って甘寧がしかめっ面をして、皆がボヤきながら食べている中、陸遜だけ満足そうに食べているから、「なんでぇ、陸遜。美味そうに食って」と不思議そうに甘寧が聞いたら、「ええ。とても美味しいです。」って微笑む陸遜。
「そ、そうかよ。変わった奴だな」って言ってたら、尚香がやってきて、「あら、皆。あまり減ってないじゃない。明日も戦わないといけないんだか、ちゃんと食べなさい」って腰に手を当てて皆を見渡すので、誰が夕食を作ったか察した古参と「姫さん、味が薄いっすよ」って文句言う甘寧。
「あら、陸遜はちゃんと食べてるじゃない。皆も我儘言わないで食べなさい」って、甘寧に言い返す尚香。
あとで自分でも食べた尚香が皆に味付けの事を謝ったんだけど、陸遜だけ美味しそうに食べてたのをふと思い出して、「味が薄かったのに完食してくれたのは陸遜だけだわ。もしかして気を使ってくれたの?」って、尋ねる尚香。
「本当に美味しかったんです。いつもは練師殿がご準備くださいますが、姫様の手料理を頂ける機会は中々ありませんからね」って陸遜に言われて、「わ、私が作ったから……?」と思わず頬を赤くして戸惑う尚香。
「はい。……あ、いえ!い、妹達も良く手料理を作ってくれますが、味付けが苦手で……。それでも家族の為に作ってくれた気持ちはとても嬉しくて、私は美味しいと感じるのです」と陸遜が言ったら、「そっか。それと同じって訳ね」と陸遜に微笑みながら、妹達と同じだったのかと少し残念な気持ちになる自分が不思議な尚香と、思わずはぐらかしてしまった自分が悔しい陸遜。
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