You need Me,Don't you?[1/4]
「花奈、団子食いに行きやすぜ、団子」
「いやですっ」
「何でィ?隊長の言うことに逆らうっていうのかィ?」
「だって、隊長、また私にたかる気でしょう?私、まだまだ薄給なんですよ、隊長の団子代に一ヶ月いくら注ぎ込まなくちゃいけないんですか?!」
涙目の花奈と総悟がまたやり合っている。
「総悟、お前何で花奈の給料毟り取ろうとしてんだよ」
ため息つきながらその間に割ってはいるのが最近の日課だ。
「オレは花奈がデートする相手もいねえってんで、仕方なくその相手をしてやってるだけでィ!デート代が花奈持ちなのは当たり前でしょうが」
「頼んでません、頼んでませんっ!!!お願いだから私のプライベートな時間だけは放っておいていただきたいんです!!!」
あぁぁ、まぁた泣きベソ顔だよ、ったく。
「花奈、お前もすぐ泣いてねえでイヤなことはイヤだって言えよ、な?」
まるで母ちゃんのような自分の台詞を、18にもなる女相手に言うなんざ、何か間違ってる気もするが。
すぐに泣きベソ晒す花奈はそのおかげで総悟のいいオモチャだ。
「私だって、イヤですって言ってますから!言っても隊長が無理やり」
ウェェェェェンと泣き出した花奈を尻目に。
「あぁあ、土方さんが泣ーかしたー、オレァ知りやせんぜ?最終的に追い込んだのは土方さんですからねェ」
フッとほくそ笑んで、とっととその場を後にする総悟を心の底から呪いながら。
花奈にハンカチを差し出した。
「…っ、ありが、ぼぉぉぉっ」
チーンと鼻までかんでやがるし。
「洗って返しますね」
「いらねェ、捨てろ…」
いや、マジで。
「副長っ、私もうちょっと強くなります!!」
ふんと花奈の顔が空に向かう。
「ああ、本気で強くなってくれや」
でねえといつもいつも仲裁に入ってなくちゃならねえこっちの身にもなってほしいってんだ。
あのとんでもねえサディスティックな弟分と、泣き虫妹分に挟まれて。
どんだけ苦労してると思ってんだか。
「頑張ります!!」
と敬礼して花奈は走っていく、多分、あのまま日課のマラソンに出かけるんだろな。
強くなろうとするやり方が間違ってる気もするが。
その花奈の性格にクスリと苦笑した。
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