I will be in place for you〜私があなたの居場所になる〜[1/4]
「花奈ちゃーん!!」
「子供の前では母ちゃんって呼びな?いつも言ってるでしょう?あんたは毎日注意してもわからないのかい?!」
不機嫌そうな花奈に、近藤は項垂れた。
「…あのね、花奈…じゃなくって、母ちゃん」
「何?父ちゃん?」
「今度の父兄参観日ってオレ隊服で行ったらいいの?それともスーツとか?」
「…スーツだろね?隊服なんかで行ったら、ただの威嚇にしかなりゃしない、昔攘夷やってた父ちゃんらを炙り出すにはいいかもしんないけどね」
ふぅっとため息つきながら、花奈は箪笥を開けて近藤の持っているスーツを手にした。
「うん、これならいいんじゃない?」
あまりカチッとしていない、グレー色のシンプルなスーツ。
「これにノーネクタイで白シャツなら、爽やかに…、まぁ、アンタでも爽やかに見えるだろうよ」
「花奈ちゃん、今間があったでしょ?何か間、あったよね?!」
「花奈って呼ぶな、っつってんでしょ?!」
子供の手前、勲を殴りこそしないが睨み上げるその視線は明らかに。
『子供が寝た後、覚えてろよ?』と言っているのがわかって。
冷や汗垂らしながら近藤はコクコクと頷いたのだった。
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