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ずっと、ずっとね…2[1/4]

ボーッとする…。

ボンヤリとした頭で授業を受けていられるのも午後までだった。

頭痛が酷くなってるのはきっと風邪なんだろうな。

辰馬のせいだよ!

夕べ暗くなるまで窓開け放して寝ちゃったのは。

あれからずっと頭痛いし…。

さっきから寒気までしてきたし。

ボーッとしながら辰馬の横顔を盗み見る。

遅刻ギリギリに現れて汗だくの顔で私の机の前に立って。

『何で起こしてくれなかったがなが?!』

とものすごく焦ってたけれど。

『そろそろさ、辰馬も一人で起きられるようにならないと。来年にはきっと違う学校だろうし』

プイッと冷たく言い放って席を離れた。

何だか寂しそうな顔、してたな…。

授業中、今日はちゃんと話聞いてるみたい。

あ、そっか、歴史好きだもんね。

横顔が真剣だったから…。

ドキン、なんて。

…ああ、本格的に頭がおかしくなってるみたい。

真剣な青い目とその首筋と大きな口とその天パまで、かっこよく見えるなんて相当重症だと思う。

うん、おかしすぎる、自分。

後二時間もすれば学校は終わる。

それまで休もう。

急にガタンと立ち上がれば椅子を引く音が大きすぎたのか皆一斉に私の方を振り向いた。

「どうした?」

そう尋ねる先生に。

「頭痛いんで保健室行ってきます」

そう応えるのが最早精一杯。

立ってるのもしんどいな、と思った瞬間に。

「掴まれ」

私の腕を掴まえてくれたのは隣の席の高杉。

まるで今朝車に轢かれないようにと助けてくれたそれと重なって。

ああ高杉で良かった、とホッとすると同時に。

心配そうにこちらを見ている辰馬と目があった。

慌てて立ち上がろうとする辰馬を見て。

「高杉、お願いっ」

と高杉の腕に掴まった。

…だって、辰馬に来て欲しくなんかないんだもん。

今は側にいたくないの。

苦しくなるだけだから…。


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