ずっと、ずっとね…1[1/4]
辰馬が全部悪い。
いきなり変なこと言うから!!
『花奈はわしのことどう思いゆうか?』
サングラスの奥の目はいつもみたいに笑っていたのか、それとも…。
『辰馬は…幼馴染でしょ?他にどう思えって言うの?』
質問に質問で答えるようにして笑って誤魔化して。
先に帰るね、って逃げるように。
気付きたくなかったのに。
きっと意識的に蓋をしてきた思いを。
そんなバカな一言でこじ開けられたようで…。
辰馬の、バカ…。
気付いたんでしょ?
私の顔、きっと赤かった。
明日からどう顔を合わせたらいいのよっ…。
西日のキツイ私の部屋には秋だというのに熱気が篭っていて。
窓を開けて、制服も脱がないままでバタンと倒れるようにベッドに突っ伏した。
バカ…。
ことの始まりは放課後の玄関。
タイミングの悪い自分にため息が出るわ…。
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