そして溢れた[6/6]
目覚めて最初に見えたものは真っ白な天井。
病院、だ。
ヨロヨロと立ち上がり病室の外へ出て。
歩き出す、あの人のいる部屋へ。
病室の前には土方さんと沖田さんがいて。
神妙な面持ちに私はまた膝から崩れ落ちそうになる。
「会ってやって下せェ」
沖田さんに支えられ中に入る、と。
そこにいたのは眠っている近藤さん。
本当に眠ってるだけ?と。
厚い胸板に手を当てると、確実に動いている鼓動を感じる。
「まだ意識は戻ってやせんが、甦ったようで」
さすが近藤さんだろィと笑う沖田さんに私も何度も頷いた。
「あんだけ、あんたに大好きだなんて叫ばれて、未練残っちまったんでしょうよ」
ああ、そう言えば聞かれていたか。
恥ずかしくなったけれど、それでも。
「…だったら、何度だって言いますよ…」
泣きながら微笑む。
「近藤さんが大好きだって」
そう、何度だって。
「…オレだって、そう思ってた」
聞き覚えのある、あの優しい声に。
彼に目を落とす。
変わり無い優しい微笑み。
思わずその肩に縋りついて。
「おかえり、なさっ…」
________待ってた…。
fin
アトガキ
今朝見た夢の台詞が忘れられなくて(笑)
「…オレだって、そう思ってた」
夢とは全く違った切ないシチュエーションですけれど
今日の気分は近藤さんだったんです♪
近藤さァァァァん♪
2014/1/26 茅杜まりも
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