×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
もう一度だけ[1/7]

「銀ちゃん」

何だか思いつめたようなオレを呼ぶ声に。

「ん?」

ジャンプから顔を上げて目の前に座る花奈を見た。

すると、一瞬口開き掛けて目を泳がせて。

「あ…と、いちご牛乳無くなってたから買い物、行ってくるね?他に何か欲しいものある?」

「あるある」

「なぁに?」

「花奈の愛」

尖らしたオレの唇を。

「…帰ったら、ね」

指先でそっと撫でて泣きそうな顔をする。

変だ、って気付いてたのに。

「いってきます」

そう告げた花奈の声すら、どこか暗かったってのに。

何で止めなかったんだ?!





居なくなる、なんて。

思いもしなかった。


目次へ
[1/7]