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君に届け!2[3/4]

温泉上がりの湯上り女子をロビーで眺めていた。

女子の湯上りって好きだな、洗い髪をこう緩く縛り上げて。

頬やうなじも火照ってて、ハム子だって3割り増しで…いや、ハム子はハム子か。

「坂田、オメエ今何か悪口言ってなかった?」

すげー、アイツ心の声も読めるようになっちまったよ!!

あ…花奈…。

…パジャマ!じゃねえ、何でジャージ、色気も何もねえしソレ!!!

もちっとこう、可愛いの何で着てこねえの?

湯上りのその桃色の頬に似合うような白いパジャマとかさー…って。

「花奈、明日だけど」

アレ?

土方クンじゃないですか!

「あ、…うん」

ちょっと赤らんでる気がしますけど、それって温泉のせいだよね?!

「あ、悪ィ、ジュース選んでた?」

「うん、ちょっと待って」

ポケットから出そうとした百円玉が転がって、二人で追いかけて重なる手と手、ってベタベタな展開じゃねえか、コノヤロォォォ!!

「…コレ、うめえよ?」

土方が指差したピーチスカッシュを、そうなの?と素直に買っちゃってるし。

何なの?君らに漂うその空気…アレですか?

付き合っちゃってたりしますか?本当に…。

その後小さい声で、二人して楽しそうに話して。

じゃぁと別れて土方はすぐに戻って行く。

部屋で飲む気か、花奈が今度は水を買っているところに。

「あまり飲みすぎると浮腫みますよォォォ」

ソファーに座ったまま声をかければビクッと花奈が背筋伸ばして振り返った。

消灯近くなって誰もいなくなったロビーにはオレと花奈だけで。

相当ビックリしたんだと思う。

「いたの?」

「いましたけど?さっきからずーっと?最も花奈チャンは彼氏に夢中だったみたいで気付いてもくれなかったけどねえ」

「…」

否定も肯定もせずにオレをただ呆れたような蔑むような目で見てっから。

…困らせてやりたくなる。


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