君に届け!1[4/4]
ハジマリは入学式。
オレの一目惚れ。
モーションかけたって、全然振り向く気配なんざなくって。
少し生真面目なその性格と、反する素で天然チックな動きにすっかり逆上せて。
「付き合って」
最初の一回目は、「イヤです!」だった。
イヤな理由を聞いたら「生理的に」とのことで、めちゃくちゃ落ち込んだけど。
それでもめげなかったオレ、超前向きじゃね?
「付き合って」
二回目は「…無理」
理由は「忙しい、友達優先」ということで少し嬉しかった。
生理的に無理ってことではなくなったことにホッとして。
去年の夏休みには何度も何度もクラスの皆に協力してもらって花奈を誘って皆で遊んで。
どんどん距離近づけてって。
夏休み明けにもう一度、告白した。
「付き合って下サーーーイ!!」
手を差し出したオレに、花奈は苦笑して。
「懲りないね?」
と笑ってくれて、…差し出した手を握り返してくれた。
有頂天だったよな、あの時。
クラス中に自分で言いふらして、あー…恥ずかしっ…。
付き合ったら、アイツ…すげえ優しいんだもんな。
いつだってオレのこと考えて、そんで優先してくれて。
なのに、いつの間にそれに甘え始めたんだっけ?
『昨日、B組の子と一緒に帰ったって』
『あ?あー、たまたま帰り道一緒になっただけで…って、あれ?花奈チャーン?』
『…、だったら私もう、銀と一緒に帰らない、ずっとその子と帰ればいいじゃん』
泣き出した花奈が可愛くて、抱きしめて涙を拭った…。
ゴメンのキスでいつだって、アイツは笑って。
オレを許してくれて…、なのに。
『…別れっか、オレら』
何で、あんなこと…。
いつもみてえに謝れなかったんだ?!
花奈が泣くのわかってて、何でいつもあんなことしてたんだ?!
だって、いつだって花奈はオレを好きだと言ってくれて。
どっかでそれに胡坐かいて。
自分から口説き落としたなんてこと、すっかり忘れちまって。
釣った魚に餌はやらねえとか、そこまでのつもりはなかったけど…だけど。
…もっと、大事にしときゃ良かった。
___________後悔って字は、後に悔やむと書く、まさにその通り!!
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