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コトノハ1周年企画御礼リク[17/21]

私の顔をじーっと見つめてニカッと笑った頭に。

首を傾げながら私も一応笑い返すと。

ツカツカツカっと近寄ってきて、一言。

「スカートばめくってくれんがか」

ムカついたので鳩尾に拳を食らわせた。

おかしい、おかしい、とは思ってたものの。

ここまで頭の脳がイカれてるとは思わなかった。

「アハハハハー、やっぱ夢じゃったかのう?」

体液吐き散らかしてその口元をグイッと拭って笑う姿に余計に腹が立つ。

「知らねーよっ!!」

どんな夢だよ、全く!!

無視して歩き出す私の横を、頭二つほど大きな図体がついてくる。

「夢でわしとおまんは夫婦じゃったがぜよ」

「…もう一発要りますか?」

拳を見せるとフルフルと苦笑いをして首を振る。

「それがのう、花奈はたいちゃわしに尽くしてくれる嫁じゃったがだ」

「…ありえませんね」

「そうやお?わしもそう思うが、アハハハハー」

あ、何かムカッときたんですけど?

「でな、花奈はぎっちりわしの側でにんにんしとってな。それがまァ可愛うてたまらんのだ」

「ふぅん」

っ、何よ、夢の私が可愛いって言ってるのであって、ここにいる自分では。

そう思うのに何だか顔が火照る。

「わしのいうことを可愛らしく全部きいてくれるんだ、これがまた」

ふと頭を見上げたら、何やら鼻の下が伸びているような…。

「…で?頭は私に何をきかせたの?」

悪い予感がする、が、念のため。

「そりゃァ、もうありとあらゆるPだったりして、PっとなってPしてPはPじゃろ?Pしてもろうて、わしゃPPPぜよ〜!!」

「何をさせとるんじゃァァァ!!!!」

とんでもないプレイしたな?

夢とはいえ、あんたやりたい放題しやがったな!!

「めっそうにもリアルじゃったもき、しょうまっことアレが夢じゃったがかと思って」

それで。

『スカートばめくってくれんがか』

…、バカすぎるだろう、頭よ。

がしかし、その相手が私で良かったね。

万が一でも陸奥さんだったりしたら。

今頃宇宙の隅でゴミに出されてますよ、きっと。

「頭、欲求不満ですか?」

「ん?」

「そういや近頃地球通いはそうされたんで?おりょうちゃんはもういいんですか?」

「お〜、おりょうちゃん!!!…まァ、それはそれとしてじゃ」

「それはそれとしてェ?」

…おりょうちゃんに聞かれたら「おふざけにならないで」とエルボー食らうだろうよ。

選ぶとか権利ないもん。

「夢ばっかし見るぜよ」

「また夢の話ですか?やっぱ欲求不満なんじゃ?」

「そうながかのう?今日みたいなエロい夢ばかりじゃのうてのう」

「はい?」

「遠い昔のような夢じゃ、わしであってわしじゃのうて。おまきあっておまがやない。けんどわしとおまんなんじゃ」

「よくわかりません」

「色んな時代におるわけじゃ、わしとおまんが」

「…?」

「どの時代でも、ぎっちりわしの側にいて笑っとるんじゃ、おまんが」

いぶかしげに社長を見上げると。

目を細めて私を見下ろして。

「きっと、わしらはさいさい生まれ変わっても夫婦になるがやないろうか」

伸びてきた手は優しく私の頭を撫でる。

大きな大きな手にそうされると、不思議なんだけれど。

きゅうっと胸が苦しくなって。

その切なさに流されてしまうかのように。

そっと目をとじると。

浮かびくるあの笑顔と優しさ…。

懐かしい日々。

…おっと、いけない!!!

思わず瞑ってしまった目を開けると。

すぐ側に腰を屈めた社長の顔があって。

「なっ、何してるんですか!!!」

有無を言わさずにアッパーカット。

「っ、キッスぐらいええじゃろうが、これから夫婦になるんじゃから」

「なりませんっ!!」

「なるんじゃって。夢でそうじゃった」

「だからきっとそれ欲求不満ですって!!」

「じゃったらスカートばめくって」

「まだ言うか!!!」

…目を瞑った瞬間に。

私にも見えた、いつの時代にも側に頭がいたこと。

私も相当イカれてるのかもしれないから。

この時代ではちゃんと見極めなくちゃ。

…、でも出逢ったのはきっと必然。

導かれるんだ…。

いつだって、あなたへ。










万里様御題
坂本
スカートばめくってくれんがか


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