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コトノハ10万打企画御礼リク[12/14]

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「オイ、何してやがる?」

スッと開けた自室の襖。

誰もいないはずの自分の部屋に先客がいた。

コソコソと文机の引き出しの中から抜き取った書類を読み漁る背中が、ビクンと固まると。

同じようにその長い耳も反応して竦むようにゆっくりとこちらを振り返って。

「エヘッ」

と笑って、オレの横をものすごい勢いで走り去ろうとした女の。

長い耳をムズッと掴んでその動きを封じる、と。

「イダダダダダダダッ、離して下さい、後生ですから見逃して下さい、お侍様ァァァ」

と大袈裟に泣き喚いてみせる。

終いには。

「やめてェェェ、お願い、そこはイヤン、イヤーン」

とあられもねえ声を出しやがった。

わざとだろ、コノヤロー!!

総悟あたりに聞かれては大変だ、と取りあえず空いている片方の手で口を塞ぐ。

うううう、と喚きながらも苦しいのだろう。

目を白黒させてどうにか大人しくなったのを見計らい手を離してやった。

「…人の部屋で何を探してやがった?」

「え、と…、その、先日あなたに捕まったウサ耳親爺がその今どこにいるのか、と思いまして」

ああ、そういやいたな、いつの間にか詐欺の片棒担がされていた人の良さそうなウサミミ天人。

「ありゃァ、おめえの親爺か?」

「っ、はい」

目にいっぱい涙を称えた女は父親そっくりの耳をペコンとしな垂れて。

「安心しろ、オメエの親爺も騙されてた側の人間だ、情状酌量にてついさっき国に強制送還された、がお前は」

ギロリと女を見下ろすと、ヒイィッと縮こまっていて。

「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、私のやったことは泥棒です、書類盗んで父の居場所を確かめようとしてたんですぅぅぅ!!何卒何卒、御慈悲を〜!!!」

大袈裟にまた泣きだす女にため息が出たが。

「…まァいい、が、逃がすつもりはねえ。罰として1ヶ月、屯所で無給の女中でもしてやがれ」

そう言うとキョトンとオレを見上げた顔が、あまりにもアホ面で。

「わかったか!このウサミミ天人」

そう雷を落としてやると、首を竦めながらも。

「あうあうあうっ、ありがとうございますぅぅぅぅ、私一生懸命働きますからァァァ」

ピョンと跳ねてオレにしがみついて嬉しそうに首筋に巻きついてくる、この馴れ馴れしさは何なんだ、一体?!

調子を狂わされっぱなしな気がしねえでもないが。

…耳以外はオレらとあまり変わりゃしねえし、よく見れば可愛い顔をしてやがったり…。

つぅか…割とタイプだな、と生唾を飲み込んだとか。

多分少し紅く染まった頬を気付かれぬようにそっぽを向いた。








明久様御題
土方
わかったか!このウサミミ天人





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