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コトノハ10万打企画御礼リク[8/14]

ピンポーンピンポーン

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

放っとくと永遠に鳴り続けそうな呼び出し音に慌てて玄関のドアを開ける。

確かめなくてもわかる、こんな鳴らし方をするのは。

「久し振りじゃのお!!!」

ヌッと大きな身体が入り込んできた瞬間に。

目の前が赤く染まるのは、このトレードマークの赤いコートのせい。

久し振り、というか…ねえ?

半年振りだよ?

「…お久し振りです」

キスしようとするその大きな口を手で塞ぎ、腕の中からもがき出る。

「どうしたがか?」

…そう来るか!わからないのか!本気で天然なんだろうな。

「もう来ないと思ってた」

「?!どうしてなが?」

「…だって、半年よ?連絡の一つもない男、待ってられるほど私気が長くない」

「もけんどて、他に好きな男でもできてしもうたらぁ?!」

オロオロする大男にため息をつきながら。

「そうじゃない、けど。…いつ来るのかわからない人を待つのも疲れたの」

「ほおか、ほおか、好きなのはまだわしじゃったか!!アッハッハッハッハー」

どれだけポジティブなの?

そのもじゃ頭の中身、一度見てみたい、いや、空だろうけど。

決めてたの、次に会ったら必ず「さよなら」しようって。

好きだから、大好きだから、側にいたかったけれど。

年に数度しか会えないなんて、これじゃ恋人とは呼べないよ。

なのに、ね。

「わしは…おまんと飛びたい」

抱き寄せられてまた腕の中。

「…何を…?」

拒もうとする私の左手を無理やり開かせて…。

「迎えに来ちゅう」

言葉の意味がわからずに、見上げた先には真剣な眼差しの辰馬がいて。

「わしもはやイヤぜよ。おまんと離れちょるのが」

広げた左手の薬指、銀色の輪がはめられていた。

「さいなら、らぁていわせないきね、わしと一緒に飛んどおせ」

…何も答えられずにその胸にもたれる。

だって答えは聞かなくたって、わかってるんでしょ?

見上げた彼は大口開けて満面の笑み。

一緒に飛ぼう。







くゆる様御題
辰馬
おまんと飛びたい




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