×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
コトノハ10万打企画御礼リク[4/14]

「山崎さんっ、チェックお願いいたしますっ!!」

副長に出す書類のチェックを後輩に頼まれる。

真選組初の女性隊員である彼女がオレの初の部下。

なかなかに有能だし、しかも可愛い。

オレの横に並んで一緒に間違いがないか、と書類に穴が開くほど眺めるその瞳が可愛くてたまらない。

「え?」

視線に気づいた彼女が、オレを見上げてくるから。

目を細めて微笑むと、彼女は不思議そうに首を傾げて、よくわからないけれどとりあえず笑い返してくれるから。

肩に手を置き、その唇を甘噛みした。

「…仕事中ですっ!!」

真っ赤になって口尖らすなんて愛くるしすぎて、たまんないんだけど。

そう、彼女はオレの大事な人。

だから近くにいると思わずこうして公私混同してしまってたり。

「山崎さんはズルイですっ…、私だっていつも側にいるとドキドキしてたりするけど仕事は仕事って割り切ってるのに」

むうっと膨れ面するのだって、どれだけオレのツボをついてくるのか。

「ホンット、わかってないな」

「え?」

「そうやって、いつもいつもオレの前で可愛い顔するでしょ?その度にオレのこと夢中にさせてさ?そっちこそズルイと思うよ?」

言いながら、彼女の耳に唇を寄せて。

「色んな顔、もっと見せて…?」

囁いた瞬間に顔を真っ赤にして立ち上がった彼女は。

オレからバッと書類を奪い取る。

「や、やっぱり山崎さんの方がズルイッ!!…ドキドキしちゃうから、止めて下さいっ!!!!」

走って廊下に出た、と思ったら、もう一度戻ってきて。

「あ…の、…仕事中は止めて下さい、って意味ですからね?」

そう言ってまた駆けてく背中を笑いながら見送る。

…だったら、夜にでも色んな顔、見せてもらおうかな?

なんて考えながら。







くゆる様御題
山崎
もっと見せて…?





目次へ
[4/14]