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「昼下がりのある日」銀さん
…あ、ヨダレ…
木陰で、ふにぃとだらしない顔で眠る彼の口元を伝っていくそれをハンカチで拭くとシパシパと瞬きをして
ようやく目が覚める
「今、何時ィ?」
起き上がることなく、そう言うので仕方なしに時計を見せてあげる
「うわぁ、3時間もこうしてたのかよッ!つぅか、お前膝痺れてんじゃねェの?何でもっと早く起さねんだよ!!」
慌てて私の膝から起き上がった
「だって、気持ち良さそうだったんだよ?銀ちゃん」
「だからって、限度あるだろーがッ、全く」
と側にあったお茶のポットに手を伸ばし、紙コップに注ぐとゴキュゴキュと飲み干す
朝はポットに苺牛乳入れようとするのを阻止するのに少しケンカしたんだっけな、と思い出してお茶を飲む銀ちゃんをクスクスと笑った
「あ?」
「何でもないっ」
「ふ〜ん、まぁいいや、こっち来いよ」
「ん?」
突然手を引かれ、銀ちゃんの胡坐をかいた膝の上にコテンと寝そべってしまった
「…何、コレ…」
「次、お前の番な、昼寝」
「え?」
「いいから寝ろって、眠たかっただろ?オレだけ寝ててさァ…その悪かったな」
…ピクニックに来て交互に昼寝って…
そう思うのに優しく私の髪を撫でてくれるその大きな優しい手に気持ちよくて思わず目を瞑った
気持ちいいなぁとニヤニヤ笑ってしまう
「な、何ですカ?!ソレ!気持ちワリィな、オイ!!」
そう言うのでプンと唇尖らせた
気持ち悪くて悪かったですね、だって銀ちゃんの手が気持ち良くって嬉しくて…
「嘘だって、機嫌直せッ」
そしてその尖った唇に触れる優しく温かな銀ちゃんの温度…
「…許す」
真っ赤な顔で目を閉じたままそう言うと、もう一つだけ同じのをくれて
「後は目ェ覚ましたら、じ〜っくりと、な」
って少しサドな銀ちゃんの声が聞こえて、すぐに寝たフリをした昼下がりのある日…
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