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絶対服従!![2/4]

「お待たせいたしました、ご主人様っ」

コトン、コトンとお2人の前に差し出したホット苺ミルクの前で。

クルクルと指を回して。

「美味しく、美味しく、美味しくなぁれっ、花奈の愛で美味しくなぁれ、召し上がって下さい、ご主人様っ」

初っ端店から教えてもらった美味しくなる魔法ちゅうもんを披露すれば。

「可愛いがー!!金時、今地球ではこがな可愛ええもんが流行っちょるがか?!」

「さァな、だってオレも来たの初めてだし」

ズズッと一口啜った白もじゃさんが感想を聞くために立っていたあたしを見上げてきて。

「この店って、あーいったサービスもしてくれんの?」

白もじゃさんの視線の先には、ご主人様の隣に腰掛けてオムライスを食べさせているメイドの姿。

少ししな垂れかかって微笑むメイドを見て、白もじゃさんはニヤリと笑う。

「あ、あの、お食事をしていただければ…、担当のご希望とかございますか?」

「わしゃ、花奈ちゃんがええ!!!」

「オレが先だろうが!!」

というわけで、白もじゃさんはオムライス、黒もじゃさんはサンドイッチをオーダーしてくれて。

「お名前教えて下さいませ、ご主人様」

「銀時〜、かける?花奈ちゃん」

そう言ってケチャップを添える手に銀時さんも手を添えてくれて一緒にオムライスに名前を書いてくれて。

そのもう片方の手が私が逃げないように腰に添えられてるものだから密着度がすごくて。

銀時さんの髪の毛が頬に触れてくすぐったくて。

「何?くすぐってえの?」

そう言いながら耳元で低く囁く魅惑のボイス。

腰、腰、腰に来るからァァァ!!!

「花奈ちゃんって感じやすいのな?ねぇ、教えて?今、どんな感じ?」

…倒れそうです、もう倒れそうです!!!

「金時、おんしちくっと長いぜよ!」

あれ?金時さんなの?銀時さんじゃないの?

「だァから人の名前間違うなって言ってんの!!どういう思考回路してやがんだよ、何度も何度も、ってか何年も?!」

…すごい、何年も人の名前、しかも多分友達の名前を間違えていられるなんて、すごい!!

しかも素っぽいし!!

「で?オレァ、アーンって待ってればいいわけ?」

「はい、ご主人様、アーンでございます〜!」

オムライスをスプーンに掬って口に運ぶ途中…。

ボトン…。

ケチャップライスが、ご主人様の白い着物にボトン…。

「も、申し訳ございません〜!!!」

必死にトントンと着物を持って叩く、叩く、叩く…。

泣きそう、落ちきらないしっ!!!

「ご主人様、お着物のクリーニング代を」

「ええ?いらねえよ、そんなん、どうせ家に帰れば同じの何枚もあるしィ、それにホラここんとこ、この間カレー零して取れてねえだろ?だから気にすんな」

ヨシヨシと泣き出しそうな私の頭を撫でてくれるご主人様。

お優しい方だ。

「そ、それでも私の気がっ」

「うん、そうだと思う。花奈ちゃんはそんなタイプだと思うからァ、ならオレの気がすむようにしてやんよ?オムライス、花奈ちゃんもあーんしてくれる?」

え?

口開けて、とニッと笑うご主人様に従って素直に口を開けてると。

口の中に広がるケチャップ風味のご飯。

「美味しい?」

優しい微笑みと囁く声に。

「はい、ご主人様」

と見つめ返せば、近付いてくる顔、え?エェェェェ?!

ペロン。

口の横が舐め取られた、感触…。

「ケチャップついてたからねぇ」

まるで音符マークでも見えそうな軽いノリのご主人様にクラクラ眩暈が止まらなくなる。




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