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戦火に咲く花[4/6]

小さな古い神社の片隅でボケッと月を見上げている銀時を見つけた。

「おーい、戻るよ?」

そう声をかければ、プイっとむくれてる。

「行こう?」

そう差し伸べた手と私の顔を交互に見上げている銀時が。

突然、私の手を引いた。

バランスを崩し、転ぶと思った瞬間に。

銀時の懐に掻き入れられた。

「…銀時?」

泣いているのかと思った。

私の肩に顔を埋めているから。

だからそっとその背中を抱きしめれば。

「…何でオメエは女なんだよ」

そんな声が聴こえてきた。

「…知らないよ、生まれた時から私は女だ。…まぁ、今となっては男だった方が良かったと思うけれど」

「バーカ、女じゃねェと困んだよ」

顔をあげた銀時はその赤い目で私をじっと見据えている。

「オレだって、男だ。高杉や坂本と同じ」

そう言って、近づいてきた唇は乱暴に私の唇を奪っていく。

その激しさに息もできず、抵抗しようとすれば手首を掴まれて、組み敷かれた。

満月と赤い目が見下ろしていて。

そのあまりの恐ろしさに涙が零れた。

どうして?

どうして?銀時…。

泣き出した私に一瞬戸惑いの表情を見せて。

そして、グイッと私の身体を引き上げてくれて。

「冗談だ」

ポンポンと頭を撫でてくれたその表情はわからなかったけれど。





それからだ、銀時が少し、遠くなってしまったのは。





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