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sugary play[4/5]

ゴリラの誕生日が近づくほどに、お前との距離が離れてってることに。

傷ついてるのはオレだけだろ?

だから、逃げた。

花奈が来る時間になってもパチンコ屋にいた。

もう空っぽの箱を長谷川さんが持っていた箱と取り替えて打っていた。

トイレから帰ってきた長谷川さんが目に涙溜めてて悪ィことしちまったな、とか思ったけど一時のテンションだろ、コノヤロォ!!

…で、結局負けて、ブラブラと帰るわけだ。

「…あぁ、デートですかァ、オアツイですねェ」

棒読み、ヤケクソで棒読み。

途中で寄った居酒屋に、何でいんだよ?

何で2人?なァ、花奈。

「ぎ、銀ちゃん?」

驚いた顔で花奈が立ち上がってオレの顔見てた。

「あ、いい、いい。邪魔する気ィねェから、オレ店変わるし」

花奈が向かってくるのを制止した。

「あの、邪魔とかそんなんじゃないからね?」

「いいってことよォォォ、無粋な真似なんかしませんって、アレだよ、大串くん。花奈こう見えてもアレだからね、純情だからね?いきなりホテルとか連れ込まないであげてね?」

ここ来る前に屋台で日本酒3本ひっかけてきたから、よく回る口にオレも驚く。

「銀ちゃん…」

「割と年くってる割りに男経験あんまないからね?真面目な子だからね?ちゃんと責任取って結婚とか考えてやるように!!わかったね?大串くん!!」

ビシィっと眉間に皺を寄せたアノヤローに指突きつければ。

パシンと頬に感じる、…痛み。

アレ?

「年くっててごめんね?」

泣き顔の花奈がオレを睨み上げてる。

「でも、私が男経験どうこうとか結婚とか銀ちゃんには関係ないでしょ!!!」

…そうです、関係ねェです…ハイ。

ツキンツキンと痛み出す胸を。

花奈はドンと押して寄こした。

「銀ちゃんなんか大嫌いッ!!!!」

強烈な破壊力ある言の葉が、ドカーーーンと落ちてきて石のように固まってしまったオレの前から花奈が走り去る。

「…テメェ、バカだ、バカだとは思ってたけどよ?」

気付けば、哀れんだ目の大串くんがオレの前に立っていた。

「さっさと追った方がいいんじゃねェ?…アイツはオレのこと友達としか思ってねェよ?」

は?何ソレ、何ソレ?

おら、さっさと行けよと顎でしゃくられて、弾かれたようにオレは走りだす。





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