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first love[3/4]

「いいや、もう。どうせ近藤くんは妙ちゃんしか見てないわけだし?私のことなんかこれっぽっちも意識してないみたいだし?だったら誰でもいいの、相手なんか誰でも。けどっ」

「っ、花奈ちゃん!!!」

何で近藤くんが泣きそうな顔してんのよ?

そう思ったら近藤くんの手が伸びてきて私の頬を一生懸命ゴシゴシ擦る。

「…オレ、花奈ちゃんの気も知らないで…、ゴメン、本当にゴメン!!!」

「本当にね!!だから責任取ってよ、責任取って…。最後にキスくらいしてよ、私の…初恋なんだからさ」

入学式桜の木の下。

ぶら下がってきた毛虫に驚き泣いた私の肩から。

『取れたよ』って笑ってくれたあの日から、ずっと。

ずっと好きだったのに。

他の人勧めてくるなんて最悪だよ、だから。

「妙ちゃんには絶対言わないから…」

約束と小指を差し出すと。

近藤くんは。

「そうじゃない、そういうことじゃなくて」

「お願い聞いてくれるって言ったじゃない」

ああ、私の微かな願いさえも聞き届けられない。

ファーストキスだけは近藤くんが良かったのに。

…でも、それは私のエゴなんだよね。

近藤くんは妙ちゃんがいいんだから。


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