君は決して泣かない。どんなに意地悪しても、テストで悪い点をとっても、体育の時間に大怪我しても、体育祭で負けたときも。いつも明るく気丈で硝子細工のように脆い女の子。

「ははっ、ふられちゃった」

そうやって笑って話す君はいつも通りの笑顔で一生懸命"強い子"を保っていた。何でそんなに頑張るの?俺の前では無理するのはやめてくれよ。本当はそう言いたかったけど今にも壊れてしまいそうな君に、俺は優しく抱き締めることしかできなかった。

「総悟?」
「あぁ、今日は何だか肌寒いですねィ。こんなにくっついてたら何も見えないやィ」
「そう、ご…」

君の震える肩をより強く抱き締めた。君の涙が見えないように俺の胸に埋めて深く、深く。

「ひっ、くっ…」

きっと君は俺の胸で泣くだろう。でも俺はそんなこと知らない。泣けばいい、そしてその涙と一緒にアイツへの想いも流せばいい。俺は君が俺に振り向くまで抱き締め続けるから。だから、もう少ししたら俺のことも見てください。







さあさお嬢さん、お泣きなさい
(そして忘れなせェ…)





END
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