友の翼
親愛なる友へ
希望を失ってから、随分経った気がする。
俺はいつの間にか、あきらめていたらしい。
世界の未来っていうデカイ賭けを。
明日を迎えるまでの間に、失うものはあっても得られるものはもうない。
そう信じきってた。
だが、俺を探し求めてくれるヤツらがいた。
未来を諦めない仲間達が、俺を救ってくれた。
希望はまだあるって教えてくれた。
ここで何もしないで逃げ出す腰抜けが、ギャンブラーに相応しいわけないだろ？
だから、お前の翼の力を借りて、もう一度賭けをしようと思う。
きっと勝てる。勿論お前も、俺達の勝利に賭けるだろ？
賭けに絶対なんて無いさ。でも、それは大きなミステイク。
未来が、俺達を待ってるんだ。
迎えに行くんだ、仲間と一緒に。
それから。この賭けに勝ったら、もう一度、夢を追いかけてみる。
ファルコンを借りたからには、最速の名を汚せないからな。
ああ、わかってるさ。
それが、お前の所に行くのが遅くなることだってな。
俺の夢の為に、お前の力を借りる。
だから、お前の夢も、叶えてやりたいんだ。
いつかこの翼で、星空の彼方まで辿り着いて見せる。
遠くて遠くて、今はまだ届きそうではないけど。
待っててくれ。
夢を叶えたって、お前に直接伝えられるまで…。