SSS | ナノ
友情

「におーくんにおーくん!」
「何じゃ柳生。騒々しいのぅ」
「今お暇ですか?」
「よう見てみんしゃい。昼寝場所を探すのに忙しくしとるじゃろ」
「よかった!ということは暇だということですね!」
「聞いちゃおらんな、全く」
「では目をつぶってちょっと片手を出してみてください」
「?」
「そのままじっとしていてくださいね。ほら、できました」
「何じゃこれは。相合傘にしては線が足らんな。手の甲にこんなもん書いてなんのつもりじゃ」
「実はですね、それは私のクラスの女子に教えていただいたおまじないなんです。今流行っているらしくて」
「おまじない……」
「えぇ。この印を自分と相手に書くことで友情が続くというものなんですよ!」
「おまん、そんなもん信じてるんか?」
「信じるか信じないかと言われれば、こういった類のものは願掛け程度にはなれど必ず叶うものではありませんね」
「全くじゃ。おまじないなんてくだらんし、手の甲におまんと同じマークくっつけてるなんてキモいぜよ。それに、」
「キ、キモいとは何ですか……!私はこういったものが保証になるとは思いませんが、仁王君、あなたとの友情に感謝しているというのに!ちょっとした戯れをしたかっただけなのに!」
「落ち着けやーぎゅ。俺は男二人で仲良くこんなことするんがキモいって言うとるだけじゃ」
「……はい」
「わざわざそんなもんに頼らんでも俺はお前さんに十分感謝しとる」
「……!におーくん!!」
「おい!手を掴むな……!」
「私は感激しているんです!これは私達が素晴らしい友情を築けていると受け取っていいんですよね?」
「あぁ、そう、そうじゃ!立派な友情ぜよ!わかったから手を離せ、」
「二人ともやけに楽しそうだね」
「幸村君!」
「げ、最悪じゃ」
「ふーん……二人はただのダブルスのパートナー以上って感じかな」
「ちが、誤解ぜよ!」
「その通りです幸村君!私達は単なるパートナー以上の絆で結ばれているんです!」
「……柳生……」
「そう。……まぁ、俺としては勝ってさえくれれば二人がどういう関係だろうが構わないけどね」
「あぁ……この世の終わりじゃ……」





―――――
2010/11/07
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -