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真実

「お早う蓮二」
「弦一郎か。お早う」
「……何を見ているのだ」
「新テニスの王子様公式キャラクターガイドvol.5だ」
「あぁ、青学の一年と幸村が特集されているのだったな」
「いつもながらなかなか読み応えがあるぞ」
「ほぅ」
「精市のプライベートから精市のプライベートまで様々なことがわかる」
「……それでは幸村の私生活しかわからないではないか」
「ちなみにここから先の会話はペアプリのネタバレを含むかも知れぬ。気を付けてほしい」
「だ、誰に言っておるのだ蓮二!?」
「ふ……こっちの話だ」
「……」
「おはよー二人とも」
「お早う精市」
「遅くなってごめん。もう練習メニュー決めた?」
「いや、まだだが……眠そうだな」
「んー……夜更かししたから」
「読書か」
「マンガという名のね」
「ブラームスを聞きながらか」
「いや、ボカロだけど」
「妹の宿題は見てあげたのか」
「へ?何で。あいつ反抗期だから全然口きかないよ」
「今朝は花に水をやったのか」
「母親がね。俺寝坊したからさ。おかげで朝ご飯食べ忘れたし寝癖も直してないや」
「は……話が違うではないかー!!」
「どうしたの真田。そんな大声で」
「弦一郎はおそらくこのページを見ていたのだろう」
「ペアプリ?あー……ずい分前にボウヤと取材受けたような気がするけど本になってたんだ」
「それによると、精市のある一日はこうなっている。朝は6時半に起きて花に水やり、登校後は朝練に参加し弦一郎とメニュー決め、夜は妹の宿題を見た後ブラームスを聞きながら読書、とあるな」
「すごいね、それ誰のことだろーね?」
「ちなみにその日は「忍」という書を書いたようだ」
「あ、それは本当。真田に見せに行ったもん。そしたらたるんどらんって言われた。ウケるよね、たるんどらんって」
「確かに弦一郎にしては面白い発言だな」
「でしょ。まぁ俺は仮にも立海の部長なわけだし、多少私生活を盛ったとしても、それに相応しいような人物像でなくちゃと思ってたんだよね。でもたるんどらんとか言われたらちょっと面白くなってきちゃうよねぇ」
「その結果が放課後の王子様というわけか」
「うん。あのボウヤ、帰国子女なだけあってなかなかヤリ手だったよ……」
「……そのようだな」
「女子大生よりナースの方が魅力を感じるんだけど、同居してるなんて言われたらちょっと敵わないよ」
「しかしうちにも姉がいるが特にいいことなどないぞ」
「それは家族だからだよ。俺だって妹が居ても得することなんてないし。他人だからこその醍醐味だと思うよ。ねぇ真田だってそう思うでしょ?」
「ゆ……幸村!異性と同居なんてたるんどる……!たるんどるぞ!!」
「あーあ、また始まった。これだからどーてーは困るよね、全く」
「ゆきむらあぁぁ!!」




2010/12/18
幸村部長のオフの姿を妄想。
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