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寒い

「……寒い」
「今日はこの冬一番の冷え込みだと聞いたな」
「……寒ーい」
「午後からは雨が降るそうだ」
「真田のせいだ。何でお前防寒しないんだよ」
「す、すまん幸村」
「すっげー理不尽っすね」
「うるさい赤也」
「すいませんって。しっかし部長が寒がりだなんて意外っす」
「この時期になると今のように騒ぎだすのが常だ」
「……そっすか」
「寒いものは寒いんだよ。なのにコート着なければマフラーもしないなんてどうかしてるよ。見てるこっちが寒くなるだろ」
「うむ……しかし俺は着込まずとも十分なのだが」
「真田副部長って季節感ないっすもんね」
「赤也!」
「な、何でもありませんよぉ!」
「そうだ幸村。乾布摩擦なんてどうだ?身体の免疫力強化につながる。さらに血液の循環も良くなり、冷えを防ぐことができる。まさに一石二鳥ではないか!」
「却下」
「しかし寒空の下鍛練を重ねれば、自己の精神までも磨くことができるが?」
「一人で勝手に自分磨きしてればいいだろ」
「幸村部長なんか意味違うっス」
「言われなくとも俺は毎年やっている。だからこそ風邪も引かず健康に過ごせるのだ」
「え?真田副部長って去年インフルエンザかかりませんでしたっけ」
「…………そんなことは知らんな」
「今思いっきり間がありましたけど」
「はー……もういいや。寒気がするから風邪かもって言って保健室で休もうかな」
「何!風邪か!それはいかんな!よし、俺もついて行くとしよう」
「え、いいよ来なくて。一人で行くし」
「いや、風邪を甘く見るな!幸村ぁ!」
「行っちまった……なんなんだあの人たち」





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2010/12/18
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