IMC
私には同い年で幼なじみの男の子がいる。
名前はシリウス・ブラック。これがまたイケメンでよくモテる男だ。しかも魔法界のスリザリンの名家出身の、けれどグリフィンドール生となかなか目立つ存在である。
もちろんそんな幼なじみがいる私もそれなりに由緒ある家だけと、私自身は母方の実家がある田舎出身なため同じスリザリンの高貴な友達からは「なんというか芋くさいわよね」とよく言われる。
私はスリザリン寮のため入学してスリザリンになってからはシリウスとほとんど会話していなかった。
彼としても私がスリザリンに入るとは思っていなかったみたいだし。「どうせお前はハッフルパフだろ」って言われていたし。私がスリザリンに選ばれたとき、余程予想外だったのかすでにグリフィンドールの席にいたシリウスの驚きようは凄かった。目と口が大きく開いていた。
ということでスリザリンになった私にスリザリンを嫌うシリウスが話かけてくることはなかったし、私から話しかけることもなかったので距離が開いていた。
それなのになぜ今こんな回想を話したのかと言うと、今日シリウスが少し長めだった髪を短くしていたからだ。
グリフィンドールと合同の魔法薬学の授業のときにどこかブスッとして短くなった髪をしているシリウスを見て少し驚いた。
長めでも似合っていたけど、さすが元が良いだけあってとても似合っていた。爽やかな感じで涼しげで私はこちらの方が好きだ。
けれど本人は不服そうな顔をしているので髪が短くなったのは罰則か何かなのだろうか。
思わず席についていたシリウスを見つめてしまうと、シリウスは私へと視線を向けた。
「これは、違うからな! イメチェンだ! いめちぇん!」
いきなりそう私に怒鳴るように言うと、シリウスは私から顔を反らした。
隣にいるジェームズ達が笑っているので、私はあまりに見すぎてしまい嫌だったのかと理解して友達のいる席へと行き腰を落とした。
すると一部始終を見守っていた友達に耳打ちされた。
「あれってもしかしてルイが一昨日、『男の人は髪が短い方が好き』って言ったからじゃないの?」
「えっ?」
そう言われて私は再びシリウスを見ると、顔を耳まで染めてシリウスが笑っているジェームズたちを怒っている光景があった。
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シリウスで「イメチェンだ!いめちぇん!」とかどうでしょう。
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