truth
日本語でしたらこの好きとは恋愛感情のない好きだと推測することができるのかもしれませんが。
彼が言ったのは愛している、loveという意味です。
loveでも恋愛の意味のない大好きと捉えてもいいのでしょうが。
自意識過剰でない限り、このタイミングは恋愛事に関する好きという意味なのでしょう。
………けれど、念のために確認しておきます。
「セドリック。それは恋愛としての好きでしょうか?」
「うん。そうだよ。僕はミリアを愛している」
………そうらしいです。
真剣な様子で伝えてきますセドリックに私は思わず目を泳がせてしまいます。
私のことを好きとは。
そもそも、セドリックはチョウの事が好きだったはずでは。
「それはいつからですか?」
おそらくごく最近、少なくともクリスマスダンスパーティー以降と私は予想して尋ねました。
「自覚したのは二年生の時、かな」
思っていましたより長かったです。
「私は、貴方はチョウの事が好きだと思っていましたが」
「チョウかい?彼女は友達だけど、恋愛感情を抱いたことはないよ。僕はずっとミリアの事が好きだったから」
どうしてそう思ったのか分からないといった、キョトンとした様子でセドリックは言いました。
私も意味が分からず首を傾げます。
だって確かに原作ではセドリックはチョウに懸想を抱いていたのですから。
それがなぜ間違いに間違え私を?
ですが、セドリックが嘘を言っているようにはみえません。
心を読んでしまいたくなりますが。それをしてはいけませんし。
「そもそも、私のどこを好きになられたのですか?自分で言うのも何ですが、私は人に好かれる質ではありません」
「そうかな。ミリア、君はとても魅力的だよ」
「………」
セドリックの迷いない言葉と表情からして純粋に本心なのでしょうが、甘ったるいです。
思わず、私は口元が引きつりました。
セドリックは本当にこういう恥ずかしい台詞を言うのはやめていただきたいです。
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