first contact×boy:c

 (セドリック視点)



 それが叶ったのは二年後のホグワーツの入学式だった。

 新入生である僕は広間で”組わけ帽子”によって”ハッフルパフ”に組わけされた。


 ・・・本当はグリフィンドールになりたいと思っていたので残念だった。ハッフルパフは劣等性のイメージがあるので人気が無い。


 僕はハッフルパフのテーブルに行き先輩たちに歓迎された後、残りの人たちの組分けを見ていた。





 「ミリア・ファスト!」


 その名前が呼ばれると、一人の女の子が壇上の上の椅子へ緊張も見せずに堂々と歩いてきた。 

 そしてその子が椅子に座りこちらをに振り向いた時、僕の心臓は大きく高鳴った。




 彼女は、二年前に道に迷っていた僕を助けてくれた女の子だった。


 ・・・まさか、彼女が同い年だとは思わなかった。


 組わけ帽子を被る彼女に僕は必死に祈った。
 ・・・・どうか、彼女と同じ寮になれますように!と。


 けれど、彼女が組わけ帽子に言われた寮は”スリザリン”だった。

 彼女は帽子に言われてから無感動に、壇上に上ったのと同じ歩みでスリザリンのテーブルへ向かって行く。

 そこで寮の人に純血かと聞かれ、純血だと答えているのを聞いた。




 僕は彼女が別の寮、しかもスリザリンになり落ち込んだ。
 スリザリンはハッフルパフをあまり快く思っていないと聞く。彼女も僕のことを嫌うのだろうか。


 けれど、ハッフルパフはグリフィンドールよりもスリザリンと敵対関係ではない。




 そう考えたら僕はグリフィンドールではなくて良かったと思った。
 それどころか、できることならあんなに嫌だと思っていたスリザリンにさえ入りたいと思った。


 ・・・そんな事になったら両親に驚愕されるだろうが。


 僕はそこで不思議な気分になった。彼女とは、昔一度会っただけだ。しかも会話もまったくといっても良いくらいしていない。
 それなのにどうしてあんなに行きたかった寮が、今は価値が無いものだと感じるのだろうか。


 その答えは僕にはまだ分からなかった。
  





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