Hogsmeade

 三校対抗試合の第一の課題の前。今学期初めてのホグズミードに私はセドリックと一緒に来ていました。

 ホグズミードに私は今までに一度だけ来たことがありました。
 目的は何か良い本屋さんは無いか探すためでしたが。特に良い店は無かったのでそれ以来、来ることはありませんでした。

 それをなぜ今回は来ているのかと言えば、セドリックに誘われたからです。


 もちろん最初は断わりました。けれど、今回は諦めが悪く彼は何度も私を誘ってきました。
 「一緒に行って欲しい」「嫌」の繰り返しを十数回したあと、私はその問答に疲れて思わずOKを出してしまいました。

 ・・・今思えば、なぜあの時諦めたのかと思います。多分、徹夜で行う天体観測のレポートが終わった後でしたので、疲れていたのが大きな理由だと思いますが。


 それにしても、セドリックといると周りの視線が痛いです。
 セドリックは代表選手になりそれまでも人気がありましたが、さらに女子からの人気を博していました。

 最近ではセドリックを見かける度に、彼は女性に囲まれています。たまにセ女性がセドリックの付属品ではないかと思ってしまうほどに。


 以前から私は「セドリックが構うからって、いい気になるな」というような事を女性に言われた事はありましたが、今はさらに増していましたし。
 そういうような事をおっしゃる方は基本無視をするようにしてはいますが、本当に面倒臭いです。……今日の事でまた言われるのでしょうね。


 私達は目的も無くウインドウショッピングをしながら、その途中セドリックになぜ自分を誘ったのかと聞いたところ「君と一緒に来てみたかったんだ」とはにかむように答えてくれました。

 普通でしたら勘違いするような台詞ですが、彼はチョウの事を好きになると知っているので私は言葉の通りに受け取りました。


 けれど。私をこうして誘ってくるという事はまだ彼はチョウの事が好きでは無かったのでしょうか。
 まあいずれは原作に添うのでしょうが。


 「ミリアはどこか行きたい店はある?」

 「いえ、ありません」

 「そう。なら”三本の箒”にでも入ろうか」


 正直すぐにでも帰りたかったのですが。セドリックから誘いを受けた手前、空気を読んで頷きました。


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