can't celebrate1/2

 三大魔法学校対抗試合の代表選手が決定しました。
 原作通り、ホグワーツからはセドリックとハリーが選ばれていました。

 そして原作通り、ハリーは自分でゴブレットに名前を入れたとして各寮から総スカンを受けています。 
 本当に子供って残酷ですよね。
 ・・いえ、大人になってもそこまで変わりませんか。


 正直こういう陰でこそこそと悪口をいう事は好きではありません。別にイジメが悪いとかそういった理由ではなく、幼稚過ぎる行動にいらっとするだけです。
 まだドラコのように面と向かって言う方が私は好きです。たしかに今はバッジを掲げてハリー落としのリーダーのような事をしていますが、時々つっかかっているので好感と言えば違いますがまだ可愛いと思います。
 まあ、彼の事はいいです。


 そんな訳で大広間にいるのは不愉快なので私は大広間でパンやおかずを持参したタッパに積めて、自分の部屋で食事を取ることにしました。厨房の場所が分かれば良いのですが、そんな事のために双子を頼るつもりはありません。
 こういう時、悠々と食事を取っているスチュワートのように、どんな雰囲気でも気にならない大人になりたいと常々思います。




 寮へ戻るために廊下を歩いているとちょうどセドリックが1人で、大広間へ向かうために前から歩いてきました。
 最近は特に女性に囲まれているのに一人とは珍しいと思います。

 セドリックはすぐに私に気がつくと爽やかな笑顔を装備して近づいてきました。


 「ミリア、おはよう。」

 「おはようございます、セドリック。」

 「ミリア。僕、代表選手に選ばれたんだ。」

 「はい、知っています」

 「君からしたら代表選手がスリザリンでないのは思うところがあるかもしれないけど。・・・君は僕が代表選手になるのは嫌かな。」


 私は、その質問に少し困りました。
 どう反応すれば良いか分からなかったからです。
 原作を知っていなければ、私はおめでとうと一応は答えたでしょう。
 けれど、私はセドリックがこの最終課題で死ぬことになることを私は知っています。それを思うと祝福の言葉は言えませんでした。


 「別に…」


 私の口から出た言葉は簡素なものでした。それにセドリックは眉をひそめました。


 「ミリアは僕が代表選手になったことが嬉しくないの?」

 「ええ、嬉しくはありませんね。」


 私は素直に答えました。





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