train3

 「親に今年のクリスマスダンスパーティーには参加するように言われた。今年は三大魔法学校対抗試合で重役の人が来るからと。」

 「・・・私にそれを言って良かったのですか?試合の事は内密の事だと思うのですが」

 「別に良いだろう、どうせすぐ分かる事だ。それに反応からして君は知っていたようだしね。」


 スチュワートは参加することなど不本意だといった様子で言いました。スチュワートは見た目はマッドサイエンティストですが、話すと普通です。なのでたまに、彼ではなく別の場所から声が聞こえて来るのではないかと考えてしまいます。

 スチュワートの親がどのような人か全く知りませんが、試合の事を知っているということは魔法省務めなのでしょう。

 
 「まあ、そうですね。・・・分かりました、私で良ければよろしくお願いいたします。」

 「助かる。君は断ると思っていた。」

 「私だって級友の頼み事なら、少しぐらい面倒でも受けます。」

 「そうか、良かった。君以外俺の誘いを受けてくれるとは思わなかったからな。」


 スチュワートは安心したように肩を落としました。
 本当は今年もクリスマスパーティなど、参加などする気はありませんでした。
 けれど、5年間もペアの必要な授業でペアになってもらった恩や、魔法薬学について教わった恩もあるのでその誘いを受けることにしました。
 テールの事もそうですが、私は長く関われば関わるだけ、相手に愛着を持つのかもしれません。

 今年も参加するつもりは無くドレスローブは持ってきていなかったので、テールに頼んで送ってもらわなくてはなりません。
 私はそんなことを考えながら再び教科書に目を落としました。 

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