Last battle1

 いよいよ、ヴォルデモートの集団が現れ私たちは玄関ホールに行きました。
 ヴォルデモートと一緒に来たハグリッドがハリーの亡骸を抱えて、それを見たマクゴナガル先生や特にハリーと親しかったネビルを筆頭にダンブルドア軍団の子たちが玄関前の石段へと飛び出しました。


 「ハリー・ポッターは生きています。これから最後の戦いが始まりますから気を抜かないようにして下さい」


 私はそう近くにいるセドリックや成人したばかりのダンブルドア軍団の子たち、父含む白ローブの集団に同じく白ローブを着たドラコとその隣にいるリルに聞こえるように言いました。前々から教えずに今話したのはヴォルデモートに下手に不自然がられないためです。全員が演技ができるとは思っていませんから。

 それにみなさん私を見ましたが、緊迫した状況のため何も言わずにハリーの様子を注視するため視線を戻します。

 私も杖を握ります。

 森から魔法生物やケンタウロスが現れネビルが蛇の首を切り落とすのが戦いの合図です。


 そして原作の通りにネビルが蛇のナギニの首を取り、ハリーの姿が消えると共に戦いは始まりました。


 校庭では巨人やヒッポグリフ、姿は見えませんがセストラルが暴れ、それらから逃げるように味方や死喰い人たちが一斉に玄関に押し寄せます。
 私達は杖を構え敵へ手当たり次第に魔法を放ちました。
 吸魂鬼も入ってきたので私も電気鼠の守護霊を出して応戦します。
 電気鼠は電気を撒き散らすように真珠色の靄を出し、広範囲の吸魂鬼を退けます。

 すると、どこからかもう一匹の形のしっかりとした電気鼠が現れました。

 あの子はスチュワートの守護霊です。守護霊がいるということはおそらく彼もどこかにいるようです。
 彼の守護霊は不安定でしたのにいつの間に上達したのでしょうか。

 その後すぐに同じく不死鳥のフォークスも美しい鳴き声と共に現れました。フォークスは死喰い人をくちばしでつつき攻撃しています。
 そしてフォークスのそばで素早く動く小さな黒い毛玉も見えました。素早く走り回り死喰い人の足を引っ掛けていきます。
 尻尾の長いあれは間違いなくクロだと確信しました。予定にはありませんでしたが、クロも来ていたのですね。

 ドラコも私のそばで戦っていましたが、彼の名前を呼び侵入した両親を見つけドラコは彼らへ声上げました。


 「母上、父上」

 「ドラコ!」

 「ドラコ、何故お前は戦っている」

 「僕は母上達を傷つけるあの人に組みしたくはありません。あの人に大切なものを奪われたくないんです」


 「だから僕は戦います」と声を張り上げ言ったドラコに母親のナルシッサは驚愕した表情をしましたが、彼女はすぐに息子に杖を向けた死喰い人へ杖を向け気絶させドラコの横へ並びました。


 「母上」

 「ドラコ。貴方がその道を選択をするのなら私も選びます。愛しているわ。生きていて良かった」


 ナルシッサは慈しむようにドラコを見ますと一緒に並び戦いはじめ、ルシウス・マルフォイも動揺した様子でしたが、家族と共に杖を構えました。

 これでドラコの心配は大丈夫でしょう。

 ふと見ますとヴォルデモートが大広間へ向かっているのが見えました。
 それを見て隣で戦うセドリックへ声を掛けます。


 「セドリック、ヴォルデモートは大広間へ行きました。私達も向かいましょう」

 「うん。気をつけてミリア」

 「セドリックも」


 いよいよ始まります決戦を見届けるため私達は大広間へ向かいます。
 私の言葉を聞いた子達も同じく戦いながら大広間へ向かいました。

 その途中、私は肩を掴まれました。
 思わず敵かとびくりと驚きましたが、見れば安心しました。


 「ミリア、無事で良かった」

 「スチュワート!」


 私の肩を掴んだのはスチュワートでした。ですが、彼は眼鏡をかけていません。露わになった鋭い視線で私を見つめていました。
 眼鏡、落としたのでしょうか。


 「スチュワート、眼鏡がありませんが大丈夫ですか」

 「あれは度が入っていないものだったから大丈夫だ。君が無事で良かった。ディゴリー、ミリアを守ってくれてありがとう」

 「バックス、君に言われるまでもないよ。僕がミリアを守るのは当然のことだからね」


 セドリックとスチュワートはそう言葉を交わしながら私を挟んで立ち近くにいる敵へと魔法をかけていきます。
 それに私も負けずに敵を倒します。

 戦っていますと、厨房からロケットを首にかけたしもべ妖精クリーチャーを先頭にしもべ妖精達が現れました。
 彼らも手に包丁や刃物を持ち戦います。

 そんな混戦の中、私達は大広間へとたどり着きました。

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