World CupU

 そのような流れで、私は現在キャンプ場にいます。

 第二キャンプ場というところでマグルの管理人にあいさつをしてから、私達はテントを建てることになりました。管理人は子供用ポンチョのフードを深く被ったテールを不審そうに見ていましたが、深くは追求してきませんでした。

 まあ、テールは私が服を着させたのでそれなりのマグルには見えますしね。それよりおかしな格好の人など、ここにはわんさかおりましたし。

 屋敷しもべは”洋服を主人から貰う=解雇”といった決まりがあります。なので、この服はテールに貸したものです。それは大丈夫なようでした。


 それを忘れてテールにコレを着なさいとポンチョを見せたら大泣きされました。・・・以後、気をつけようと思います。

 と言いますか両親は教えておいて貰いたかったです。すごく重要な事の気がしますが。
 ホグワーツでは習いませんでしたし。


 テントの準備はすべてテールがやってくれました。水汲みもテールが屋敷に姿現しで戻りすべて用意してくれたので必要無かったです。

 本当は今夜で試合は終わるのでテントは必要無いものでしたが、一週間以上続くことのある競技なのでテントを建てないのは不自然かと思いお願いしました。
 ・・・・テールには申し訳ありませんが。




 「ミリア!」


 テールがいろいろ用意してくれている間に他の人のテントを眺めながらウロウロと歩いていますと、私は名前を呼ばれました。
 聞き覚えのある声に振り返りますと。
 そこにはやはり水が入ったボトルを持つセドリックがこちらへ向かって来ていて。それに続いて、おそらく彼の父親でしょう人の良さそうな紳士が私の方へ歩いてきました。


 ・・・・一瞬逃げようかと思いましたが、年上の方への礼儀として私は彼らに笑顔で応対することにしました。


 「あら、セドリック。ごきげんよう」


 私が笑顔で挨拶をすると、普段は素っ気ない私なので。
 セドリックは自分から話しかけておきながら驚いていました。

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