Reunion
「コホン、ミリアさんちょっと良い?」
セドリックの腕に抱かれていますと、私の背後から咳払いと共に声をかけられましたので私はセドリックの身体を離します。
話しかけてきたのはリルでした。
そこで我に返り先ほどまでの自分の行動に穴に入りたくなりますが平静を装います。
「リル、どうしましたか?」
「あー、ちょっと話があって。ミリアさんの耳に耳打ちしても良いかな」
「構いませんが何でしょう」
私が耳を近づけますとリルは一度綺麗な瞳を細めてセドリックをチラリと見てから、私の耳へ口を両手で覆い小さな声で囁きました。
「兄さんから伝言。『CとFは俺がやる』と後『死ぬな』だって」
それだけ言うとリルは顔を離しました。
CとF……ですか。
心当たりは一つだけです。
「“兄”からの伝言なのですか?」
「うん。俺の“兄さん”からの伝言だよ」
リルは私の質問に頷きますと前に彼の兄のことを話した時のように楽しそうに笑いました。
感謝はしますが、こんなときまで彼は私のことを思いやり過ぎます。
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