Reunion
ハリーが出て行った後双子と話をしている間にまた絵の通路を使って人が現れました。不死鳥の騎士団のメンバーです。
その中にやはりセドリックもいました。
ネビルほどではありませんが、随分と怪我が増えていました。
他のダンブルドア軍団の子たちが再会に喜んでいる中、私はセドリックと目が合いました。
セドリックは私を見て目を見開き驚きました。
私はどうすれば良いのか分からなくなりました。
本当は会っていろいろと文句を言いたかったですが、実際に彼を目の当たりにすると迷います。
けれど話しかけてくる周りを気にすることなくセドリックは私の方へ真っ直ぐツカツカと歩み寄り、そして部屋の端へと私の手を引くと声を抑えて話ました。
「ミリア、なんで君がここにいるの?」
「私は彼らにダンブルドア軍団に加えていただきました。ですのでここにいます」
「そうじゃなくて、君は、スリザリンじゃないか」
挨拶もせずにセドリックはそう苦しそうに眉を寄せて言いました。
彼が私をスリザリンだからと差別することは初めてですし非難するように言うのは久しぶりです。
けれど私はその裏にある私への気遣いを知っています。
「ええ、ですから私は彼らと破れぬ誓いを結びました。きちんとダンブルドア軍団を裏切らないことを誓いました」
「破れぬ誓い!?」
セドリックは少し声を張り上げて驚きます。
「なんで、そんなことまでして。君は、君はスリザリン生だし純血だ。だからこんな命をかけることをする必要なんてないだろう」
「あら、それは貴方に言われたくありません。貴方だって闇祓いになって命をかけているでしょう。私がそれをして何が悪いのです」
私のことばかり責める口調に私はあの手紙を送られた時のことを思い出し元からあった感情が再熱しました。
「だいたいあの手紙はなんです?一方的に思いを告げて。私がどう思うかお考えになっているのですか?」
「それは、確かに申し訳ないとは思ったけど。……まさか君がここにいるのはあの手紙が原因なの?」
「ええ。まあそれもありますね」
本当はそれだけが原因ですが、言いません。
今でさえ私がここにいて辛そうな様子ですのにさらに追い込むつもりは“あまり”ありませんから。“あまり”なので全否定はしませんでしたが。
それでも彼は傷ついた表情をします。
「僕は、君を危険な目に合わせたくなんてない。僕が手紙なんて出さなければ」
「いいえ。貴方は出してくださったのです」
私はセドリックの優しい言葉を全て言わせる前に否定します。
「私は……あの手紙をいただいて、嬉しかったです。ですから貴方が手紙をくださり良かったと思います。私は貴方がもう私のことを好きではないと思っていました。けれど違うのですよね。でしたらこれで私は貴方に遠慮する必要はなくなりましたから」
本当でしたら、私はセドリックが私に好意あるなしに関わらず手助けをしたいと思っていましたが。
ただの仮初めの友人である私がそこまでするのはおこがましいのではと思い二の足を踏んでいました。
その遠慮がなくなったのです。
「セドリック、貴方は以前私を守りたいと言いましたが私だって貴方を守りたいのです。私だって貴方に死んで欲しくはありません」
「ミリア……」
先ほどから自分から出たと思えない恥ずかしい言葉に私はだんたんと顔だけではなく体全体が熱くなりセドリックを見ることができなくて目を伏せます。ずっと会えなかったので言いたいことが溢れてしまいます。
するとフワリとセドリックの腕が私の身体を包みました。
「僕は君に危険を冒して欲しくない。でも、それと同じくらい僕はミリアと離れたくはないんだ」
「だから不謹慎だけどね。君が危険なところにいてもそれでもミリアと会えて嬉しい。けど君が戦うのならせめて僕をそばに。どうか僕にミリアを守らせて」
セドリックは微笑み、柔らかく温かな言葉で私に言いました。
彼の笑顔も久しぶりです。会えて良かったです。
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