letter
おそらくはそろそろグリンゴッツにハリー・ポッターが忍び込むでしょう。
まだ寒さが残りますが暦としては春に私は新聞を読みながら考えます。
最終ステージである今、新聞には快くない内容ばかりが載っています。
誰々が死んだ、襲われたで紙面のほとんどが埋まっています。
本当にヴォルデモートは……。
私がもし圧倒的に強ければ、と思いますがそんな空言考えてもどうしようもありません。
私は紙面の中にセドリックの名前はないのか探していますが、今のところはセドリックの死を報じるものはありません。
報じられていないだけなのかもしれませんが。
……本当に未練がましいですよね。
もうセドリックとは関わりもなく、何も言われずにフられてしまったにも関わらず気にしてしまうなんて。
情けないです。
コン、コン
そんなことを考えていますと家の窓が叩かれた音がしました。
フクロウです。
私は立ち上がりフクロウを家に入れるためにレースカーテンを引き窓を開けました。
私はてっきりスチュワートからのフクロウかと思いました。
作戦会議の後から頻繁に彼とやりとりをしていましたから。
ですが違いました。
そのフクロウは、ホグワーツ時代に毎年のように見ていた、知っているフクロウでした。
「セドリック……?」
それはセドリックのフクロウでした。
私は慌てフクロウを中へと入れます。
そして私腕に止まったフクロウの足から、手紙を頂きました。
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ミリアへ
久しぶり。いきなりの手紙でごめん。
君は元気にしているかな。
僕は今、闇祓いとして忙しくしているけど問題はないよ。
卒業してから一度も会っていなかったしもしかしたらこんな手紙を貰って迷惑をしているかもしれないけど。
本当なら全てが終わってから君に会いに行くつもりだったけど、どうしても耐えられなかったから手紙にしてしまったんだ。
君を巻き込むつもりはない。そう思って君から離れていたけど。
ごめんね、この手紙だけにするから君に伝えたいんだ。
好きだよ、ミリア。
君の幸せを一番に願う。だから、無事でいて
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私はセドリックからの手紙の全てに目を通しました。
本当に、私の周りの男性たちは……。
普通でしたらこういう時の女性の反応はときめいたり、頬を染めたりというものなのかもしれませんが。
私の場合はとても腹が立ちました。
私は急いで自分の部屋まで行くとトランクを取り出しました。
そこに様々な魔法道具、着替えに食料を入れていきます。
そんな私の様子に気がついたテールがパタパタと戸惑った様子で現れました。
「お、お嬢様。そんなに荷物を詰め込んでどういたしましたか?」
「私はこれからホグワーツに行きます」
「ほ、ホグワーツですか!?」
「ええ、ホグワーツです。それとテール、これは命令です。テールは前に計画していた通りにスチュワートに何を言われようともスチュワートと一緒にスネイプ先生を救いなさい。良いですか、命令ですよ」
「は、はい。お嬢様」
テールは大きな目をギョロギョロ回しながらも頷きたくない様子で頷きました。
しもべ妖精はどんな命令であろうとも主人の命令を断れません。
これで、優しいスチュワートがテールを私のところへ寄越すこともないでしょう。
「ああ、あとスチュワートには私はきちんと貴方よりも安全ですから、私が譲歩したのですから貴方も譲歩なさいと伝えてくださいね」
まさかこんな行動を起こすことになるとは思いませんでしたから、スチュワートに少しの危険は許しておいて良かったです。
私は荷物を詰め終えるとホグワーツへ繋がる通路の最後の一つでもあるホッグズ・ヘッドへと姿現しで向かいました。
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[mokuji]