meeting2

 「スチュワートだけで行うのですか?」

 「ああ。今回の作戦、身を隠す方法のない君は申し訳ないが邪魔だ。スネイプ先生の死地になる叫びの屋敷は外から忍び込むにはリスクが高すぎる。だからハリー・ポッターと同じ道筋“暴れ柳”から忍び込むべきだろう。まだミリアがグリフィンドールなら良かったが君はスリザリンだ。怪しまれずに忍び込むには君は向いていないだろう」

 「それは、そうですが」

 「君もそう思ったから知恵を得るために俺を呼んだんだろう。不死鳥が来たのが7月なら時間が開きすぎている」


 ……確かに、スチュワートの言うとおりです。
 私ははじめ彼を頼るつもりなんてありませんでした。

 ですが、彼に全てを託すつもりもありませんでした。


 「私は自分の力だけでは手に負えないと思い貴方を呼びましたのは貴方の言うとおりです。けれど、貴方だけを危険な立場におくつもりはありませんでした。申し訳ありませんが、私はスネイプ先生よりも貴方の身の方が大切です」


 スネイプ先生のことは確かに好きですが。
 私は大事なものの天秤を間違えるつもりはありません。
 級友が危険になるのでしたら何もしない方がいいですから。
 スネイプ先生だって望まないでしょうし。


 「……それで、君は俺に忘却術を使うつもりか。今話したことを忘れさせるために」


 スチュワートは私を分厚い眼鏡越しにじっと見て、そう言いました。

 本当にスチュワートは、賢くて嫌ですね。


 「そうですね。それも一つ考えていました。私はいつでも貴方に忘却術をかけられます。ここには私のしもべもいますし」


 だから道中危険があるにも関わらず私はスチュワートを家に呼んだ訳ですし。
 この計画は後ろに控えるテールには話しています。


 「そうならないためにも貴方がある程度でも良いので安全である作戦を一緒に考えましょう。作戦は貴方だけが実行するものであっても構いませんが。私が納得できないものであるのなら残念ですが、ここで聞いたものを忘れていただきます」


 スチュワートがアニメーガスでしたから、まだ希望はあります。

 私とスチュワートは長く時間を忘れて話し合いました。

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