the putted of fate

 (セドリック視点)


 その日NEWT試験が終わり僕はミリアを探していた。
 しばらくは試験のためミリアとあまり過ごせなかったから彼女に会いたかった。
 ホグワーツで過ごせる時間は後僅かだから、少しでも多く会っておきたい。

 僕はミリアはバックスの話によると卒業後は魔法省へ勤めるつもりらしいと前から知っていた。
 まあ、バックスから聞いた話というのが少し不服だけど。あの時はまだミリアと友人ではなかったからそうするしかなかった。

 僕はミリアが魔法省を目指していると知り、その時から僕もその道を目指すことにした。
 もしかしたら僕はミリアから選ばれない可能性もあるけど。たとえそれでも僕はこの選択に後悔することはないだろう。

 だから卒業しても就職先は部署が違えど同じ職場だけど、それでも学園生活中だって彼女と少しでも多く関わっていたい。



 試験が終わり賑わうホグワーツの中の廊下をミリアを探し歩いていた。

 しばらく探しているとそこで何やら不服そうに前から歩いてくる人たちを見つけた。
 不思議に思ったけど、僕はそのまま廊下を歩いて行くと、その先にはジニー・ウィーズリーがここから先は一歩だって通さないという気迫で仁王立ちで立っていた。
 彼女とはダンブルドア軍団で一緒だったしクィディッチの選手でもありそれなりに話す人だったから僕は声をかけた。


 「ジニー、どうしたんだい?こんなところで」

 「あら、セドリック。もしこの先に行きたいなら、この先は『首締めガス』が充満して危険だから別の道を使った方が良いわよ」

 「『首締めガス』?誰がそんな危険なものを」


 それなら確かに通れないけど。
 この先にはアンブリッジ先生の部屋があるから誰かがイタズラで使ったのだろうか。
 双子がいなくなってからもまだアンブリッジ先生へのクーデターは続いているから。


 「そうか。良ければ僕も見張りを手伝うよ」


 本当はミリアを探したかったけど、困っている後輩を見つけてしまったので僕はそう提案した。最終学年の僕もいたほうがいいだろうし。

 するとジニーはなぜか目を泳がせ、思案したあと首を横に振った。


 「いいえ、だいじょうぶ…「ステューピファイ!!」」


 突然背後からアンブリッジ先生の失神呪文を発する声が耳に入り、向き合っていた少女から悲鳴が聞こえ。
 衝撃と共に僕の意識はそこで途絶えた。




 気が付いたらそこは悪趣味なアンブリッジ先生の部屋の中で、僕はどうやらアンブリッジ先生の部屋へ忍び込んでいたハリーたちと共犯として捕まっていたらしい。手足を縛られた状態で目を覚ました。
 『首締めガス』は人を寄せ付けないための嘘だったようだ。

 そこからアンブリッジ先生を連れ出したハリーとハーマイオニー・グレンジャーがいなくなった間に部屋に残っていた尋問官親衛隊達を部屋で捕まっていた人たちと協力して倒して、僕はそれから彼らが魔法省の神秘部へ忍び込むのに同行することになった。

 別に僕は関係がないから断ることもできたけど、後輩が危険を冒すことを見てみぬフリはできなかった。


 それから僕は神秘部で現れた死喰い人と戦った。
 あの人が復活したという話を信じているつもりだったけど、実際にその手下の死喰い人と戦って復活したことを確信して、僕はやはり命を失うことが怖いと思った。
 僕は必死に戦った。
 そしてベールの乗った台座のある部屋で死喰い人に追いつめられた。
 その時、僕は死を確信した。
 けれどそんなピンチの時、ダンブルドア先生と一緒に現れた女性に僕は助けられた。
 女性はどこかミリアに似ていた。顔や背格好は違ったけれど雰囲気が。
 そんなはずはないけれど、ミリアがポリジュース薬を使って変身したらこうなるのではと思ってしまうくらいには似ていた。

 女性はすぐに一緒に来た男性を追いかけて出て行ってしまったけど。

 命が助かり安心したのと同時に、僕は無性にミリアに会いたくなった。


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