liars
ホグズミードへ行ってから次の日に早速、私がホグズミードへ行ったことを聞きつけたセドリックから、私はホグズミードへ誰と一緒に行ったのかと尋ねられました。
ですので私が『一人で行きました』と真実をそのまま伝えますと、セドリックは眉を寄せ疑うように見てきましたが。
それ以上の真実はないのでその話は流れました。
セドリックもそれ以上は聞いてきませんでしたし。
それからまた次の日の月曜日の朝。
スリザリン寮の掲示板に紙が張り出されました。
内容を要約しますと、『今ある団体組織は解散し、新たに結成する場合は高等尋問官であるアンブリッジから許可を得ること』だそうです。
まあ、私には関係がありません。何か団体に属している訳ではありませんもの。
私が読んでいる間にいつのまにか隣に現れたスチュワートも問題ないでしょう。
彼が何か集まりに参加しているとは聞いたことがありませんし。
スチュワートは私と同じく無表情で紙の上の文字を読んでいます。
セドリックも原作通りでしたら、クィディッチの方は最終的にグリフィンドールでさえクィディッチチームを許可されていたので問題ないでしょうね。
ダンブルドア軍団の方は問題でしょうが。
その後、私はセドリックと話す機会は時間を掛けずにありました。
その日の夕食の後、ちょうど私と入れ違いに大広間へ来たセドリックが少し疲れた様子で私に話しかけてきました。
疲れているのはやはりクィディッチのキャプテンですからチームのために奔走した結果でしょう。
「セドリックはアンブリッジ先生の許可をいただけましたか」
「うん。なんとかね。少し時間が掛かったけど許可を貰えたよ」
許可をいただけたようです。
まあアンブリッジからしたらグリフィンドールに比べハッフルパフはそこまでの興味はないでしょうしね。
「本当に朝あの張り紙を見たときはびっくりしたよ。慌ててアンブリッジ先生に話を聞きに行って授業の合間に書類を作って昼休みに先生に渡しに行ったけど。その時はすぐに許可を貰えなかったから予約していた放課後の練習はできなかった。それでさっきやっと許可を貰えたんだ。…まあ今日中に許可を貰えただけ僕らは良かったのだろうけど」
最後の言葉は言いづらそうに、グリフィンドールのテーブルをチラリと見て遠慮するように声を潜めて言いました。
やはりグリフィンドールはまだ許可を貰っていないようです。
敵のことまで心配するなんて優しい人です。
「ここまで大々的にしているのですから今は許可を貰えなくともこれに関しては校長先生が動くでしょう」
「うん。そうだね。僕もこんな形で不戦勝だなんて嫌だからそうであることを祈るよ」
セドリックは複雑そうに微笑み言いました。
彼は他のチームだろうと正々堂々と戦おうとして立派です。
スリザリンでしたらこれ幸いとしますから。
一般的にはセドリックの方が正しいとされていますが。
別にこの程度、現実問題ではどちらが正しいなんてありませんから私は自身の寮であるスリザリンを非難するつもりはありません。
「…セドリックは他に団体に所属していたりしていませんか?」
私は心配している風を装いセドリックに尋ねますとセドリックは微笑みました。
「うん、他は大丈夫だよ。ミリア、君の方はどこかの団体に属していない?」
「ええ、私もそういったものには属していませんので問題ありません」
セドリックはやはりダンブルドア軍団のことを隠しました。
とはいえ私は義理堅いセドリックが話してくれるとは思っていませんでしたので。それ以上深く聞くことはしませんでした。
私はスリザリンですから知らせないべきですもの。
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