not invited
クィデッチの選手の選抜が終わるとセドリックはある程度の時間が取れるようになったようで。
セドリックにときどき誘われ、一緒に話をしたり図書室へ行くようになりました。
図書室では私が本を読むのにセドリックが付き合うというものでしたが。
私としては静かにして下さるのなら構わないので断りはしませんでした。
ある日の休日に私はセドリックと一緒に図書室に寄った後に『少し君と話をしたいんだけど、いいかな』とセドリックに誘われ、私は急ぐ予定もなかったのでそのお誘いに頷きました。
外はよく晴れていて15時頃でしたので、日差しも柔らかく降り注いでいました。
もう秋も近いので禁じられた森の木々も少し色付きはじめています。
私たちはホグワーツの湖へと行きました。
今の時期はミズホポが見頃です。ミズホポの説明しますと、花の色は水晶のように透明と違いますがタンポポに似た、水中に咲く魔法界の植物です。
ミズホポはこの時期まるでシャボン玉のような膜で種を覆い空へと飛ばすので、湖はたくさんのミズホポのシャボン玉がキラキラと日の光を受けて飛んでいます。
私たちはその光景を見ながら、芝生よりも柔らかい草の上に二人で腰を下ろして雑談…主に近況の話をしました。
「魔法薬学の授業でミリアはもうヤクツバキの香り薬を作ったかい?あれはなかなか難しくて本当は真珠のように真っ白にしなくちゃいけなかったけど、僕は少し透明がかった色になったんだ」
「はい、香り薬でしたら私も習いました。私はその通りに完成させることができましたが確かにあれは難しかったです。スリザリンで完成したのは私とスチュワートだけでしたし。ですが透明がかった色に?少し雪蜂の羽が少なかったのでしょうか」
「うん。そうだったみたい。計ったつもりだったんだけど、一ミリグラム足りなかったんだ」
「あら、そうでしたか。けれど、それなら効用はそこまでの変化はないでしょうしAは貰えるでしょう」
「そうかな。そうだといいな。でもバックスが作れたのなら少し悔しいね」
セドリックは端正な眉を寄せて言います。
「彼は魔法薬学が得意ですもの。個人的にスネイプ先生に教わりに行くくらいですから魔法薬学はめったに失敗はしないので私も彼には勝てません」
「そうなんだ。やっぱりスネイプ先生はスリザリン生には優しいんだね。まだハッフルパフはいい方だけど、合同のグリフィンドールはよく減点されていたよ」
セドリックが過去系に言うのは今、セドリックは優秀な学生が受けられるNEWTレベルの授業を取っているからです。
真面目な生徒ばかりですので減点される人はいないのでしょう。
特に減点されていたのはおそらくウィーズリーの双子でしょうしね。寮監のマクゴナガル先生にまでよく減点されていましたし。
私たちはそんな授業の真面目な話であったり、彼のクィディッチの話であったり他愛のない話をして過ごします。
クィディッチの話はやはり私はスリザリンですので、細かな戦略などの話は話しませんでしたが。レイブンクローとの合同練習でギリギリ勝てたなどの話をして下さいました。
クィディッチに興味はありませんが。
それでもセドリックは私が面白く思えるように説明をして下さったので、嫌ではありませんでした。
「…あの、セドリック」
「うん、何だいミリア?」
「いえ、前に教わった時にも思いましたが、セドリックはクィディッチの説明がお上手ですね。あまり知らない私でも分かりやすかったです」
「そう、かな。それならきっとクィディッチのことが好きだからかもね。僕自身も強くなるためにたくさん本を読んだり、人から教わったりしていたから。それがミリアに話す役に立てたなら嬉しいよ」
セドリックは言葉の通り嬉しそうに笑顔で言いました。
さすがセドリックは重要ポジションであるシーカーをつとめるだけありますね。勉強熱心です。
私は、本当はセドリックに聞きたいことがありました。
けれど、後少し時を待てば知ることができることを私は知っていたので。私は聞くことを辞めました。
「そういえば、レイブンクローのシーカーはチョウ・チャンなのですか?」
「うん、そうだよ。ミリアはチョウがシーカーだってことを知っていたんだね」
「ええ。シーカーが誰かということくらいなら分かります」
原作では目の前にいるセドリックと付き合ってもいたくらい、重要人物でしたし。
ですが、一応セドリックに確かめてみましたが、チョウがシーカーですか。
原作でこの年にチョウがシーカーであったかは覚えていませんが、そこはあまり問題はないかと思います。
そのうち、ハリー・ポッターやウィーズリーの双子がクィディッチの選手から外されあまり話題になることもない訳ですし。
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