after a week
(セドリック視点)
ホグワーツがはじまってから一週間が経過した。
今年度、ミリアは成績が優秀ということで首席になったので。僕は首席や監督生の集まりのためホグワーツ急行内で1日目から会うことができた。
彼女は少し心配だったけど、昨年度と変わらずに普通に僕と会話をしてくれた。
だからホグワーツ急行で一緒にはじめて仕事をすることができて僕は嬉しかった。変わらないことに安堵したのだ。
今まで彼女は監督生になったことはない。
家柄も良くてきちんとした人だからもし同学年が魔法族の名家出身の“あの二人”でなければ彼女が監督生だっただろう。
だからホグワーツ急行内での集まりがある度にいつも少し僕は“あの二人”を快く思わなかったけど。
最後に一緒に仕事ができただけで僕はそれだけでも幸せだった。
それから、学校に来てから僕は一週間ミリアと話す機会がなかった。
僕は最高学年の監督生でクィディッチチームのキャプテンを務めているから、それだけでも多忙に過ごさなくてはならなかったのだ。
本当はミリアに見てもらいたかったから得た肩書きも、この忙しさでは今は少しだけ邪魔に思ってしまっても仕方がないだろう。
せっかく友人になれたのにこうも話す暇がないなんて。
しかも…、今まではお互いに近寄らなかったグリフィンドールの双子の片割れがやけにミリアに話しかけているらしい。
ミリアは僕と友人になってから注目されるようになった。
僕がミリアを好きだと公言したのが大きな理由だけど。
公言したのは彼女が何かいやなことをされないように牽制するためだ。
僕はさすがにここまで好かれていればそういうことが起こり得ることは分かっていたから。
ミリアに辛い思いを自分のせいでさせることは嫌だった。
そしてその影響もあり彼女の噂を今までよりもよく耳にするようになった。
ウィーズリーの行動はいつものように面白半分なのか。それとも…。
たとえ恋愛感情があったとしてもミリアに嫌われている彼の恋が実る確率なんてかなり低いことは僕は分かっている。
でも恋なんて何が起こるか分からない。僕だって今でさえこの感情に驚かされるのだ。
彼ら双子は女性に人気があるし。
ミリアが双子に目を向けるその前にミリアに好きになってもらえるように、できるならもっとミリアと過ごしたい。
ぐずぐずして彼女をとられてしまうなんて嫌だし、情けないけれど怖い。
クィディッチやハッフルパフは確かに大切だ。
寮のみんなのために力になることができるのは嬉しい。
それに責任を放棄するような男をミリアは好きになるとは思わないから、もちろんきちんと役割に対しての責任は果たす。
でも僕が何より大切なことはミリアだから。
…今年度最初のホグズミートは一緒に行けるだろうか。
この希望はミリアから断られるのではなく僕自身が決めて諦めることになるとは知らずに、僕はミリアと過ごすホグズミートに思いを馳せた。
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